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Royal Navyは奥が深い #5 艦載艇の種類(2)


7.艦載艇の種類(2)手漕ぎのボートと帆船

7-1. 32ft cutter

32ft cutter

 カッターは一般的には端艇(軍艦では短艇)と呼ばれ(A、B、C)のような手漕ぎのボートを指します。本来は1本マストの小型帆船を意味するので(D)のようなマストがあるタイプもあり、これはsailing cutterと呼ばれます。また、(E,F)のようなエンジンのあるタイプはmotor cutterと呼ばれます。

7-2. 30ft gig

30ft gig

 ギグ(A)は、galley(ガレー船)とも呼ばれていました。手漕ぎのボートですが帆走することもありました(B)。艦尾はトランザム (四角) で(C)、長さの割に幅が狭く(D)、舵がありました(E)。

7-3. 27ft whaler

27ft whaler

 ホエーラーは、直訳すると捕鯨船のことで、鋭い船首(A)とトランザムではなく尖った船尾(B)を持つカヌーのような形状の手漕ぎのボートのことです。オールの数は右舷3(C)と左舷2(D)で不等数で、舵がありました(E)。

7-4. dinghy

dinghy

 広義としてはキャビンを持たない小型の船舶全般を指しますが、狭義としては風のみを動力とするヨットであるsailing dinghyのことを指します。16ftや14ftのものがありました。
 dinghyタイプのヨットと言えばアーサー・ランサムの「ツバメ号とアマゾン号」シリーズが思いだされます。帆船やその各部の名称など大事なことは全部このシリーズで覚えたような気がします。

7-5. life raft

life raft

 救命筏のことで、単にraftと略されます(A)。救命筏とかラフトと言うとラフティングに使うようなゴムボート(B)のイメージがありますが、life raftとゴムボートではまったく使用状況が異なります。life raftは、木製の浮き部分から網が海中に垂れ下がり(C)、網につながった底板の上に人が乗っているので、人は半身以上海に浸かった状態になってしまいます(D、E)。Horace Carleyというアメリカ人が19世紀末に発明したので、Carley floatとも呼ばれます。
 大きさの異なる14ftx9ft、12ftx7ft 、10ftx5ft、8ft x 5ftのタイプがありました。またDenton raftと呼ばれる3ftx3ftの小型の浮き具もありました。

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