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Royal Navyは奥が深い #4 艦載艇の種類(1)


6.艦載艇の種類(1)機動艇

Rodney 竣工時の配置図

 ネルソンとロドネイの艦載艇を記載した資料によると
2 x 50ft pinnaces,
1 x 35ft motor pinnace,
2 x 45ft motor launches,
2 x 32ft sailing cutters,
2 x 27ft whalers,
1 x 30ft gig,
2 x 16ft skiff dinghies.
とあり、さらに旗艦の場合次の3隻が追加されるとあります。
1 x 30ft gig,
1 x 50ft admiral's barge,
1 x 13.5ft balsa raft.

 しかし、竣工時の配置図を見ると数や種類が当てはまりそうにありません。そもそも英文の名前も呼び方が複数あり良くわかりません。
 そこで、ネットで拾った情報をもとに、大きさとだいたいの形状で分類してみました。断定したように記載していますが、多くは推定であることをご了承ください。

6-1. 50ft pinnace

50ft pinnace

 日本では「ピンエース」と表記されることが多いのですが、辞書掲載の発音記号では「ピネス」です。艦載用の小型ボートを指しますが、元々は小型の帆船を意味していました。大航海時代の冒険談には、ピンエースを船から降ろして組立てて探検するといった表現がよく使われていて、艦載艇としてだけでなく単独の帆船としても使用され、名前も付けられていました。
 近代海軍では、中央部に機械室、後部に士官用の船室を持つ機動艇なので、steamを付けてsteam pinnaceあるいはsteam picketと表記している場合があり、picketの場合は本来偵察艇を意味します。船首よりに大きな煙突があるのが特徴で、この煙突は艦載時には外して機械室の屋根に横倒しに置かれていました。操舵部分は無蓋ですが、舵輪の前に風防が設置されていました。見た目は日本海軍の17m内火艇に似ていますが、50ftなので15m内火艇に相当します。
 第一次世界大戦から大戦の初期まで使われ、順次他の艦載艇に変更されていきましたが、艦によってはそのまま使用されていました。

6-2. 45ft admiral's barge

45ft admiral's barge

 自走できる艀(はしけ)で、司令官などの高級将校が乗艦している場合に搭載されていて長官艇と訳されます。
 50ft pinnaceと同じく煙突があるのが特徴で、写真では大きさがはっきりしないので、50ft pinnaceとの区別がつきにくいのですが、admiral's bargeは船室の後端がフラット(A)なのに対し、50ft pinnaceは艦尾に向かってせり上がって(B)います。

6-3. 45ft motor launch 

45ft motor launch

 帆船時代から大型のボートを指し、この時代では、甲板がなく機関を積んでいて自走できる艀のことで、日本海軍でもランチまたは艀の名称を用いています。
 機関部が中央にあるタイプ(A)と船尾にあるタイプ(B)があり、(A)はキャンバスの屋根を、(B)は小型のキャビンが設置できました。艦載機用の大型クレーンが設置された艦に搭載されました。
 似た形状で大きさの異なる42ftや36ftのランチもありました。

6-4. 45ft fast motor boat(FMB)

6-4 45ft fast motor boat(FMB)

 50ft pinnaceに代わって搭載された機関を持つ45ft級の機動艇で、複数のタイプが認められます。(A)と(B)は船室の配置がよく似ていますが、(A)は前部船室が中央の船室より狭くなっていて、(B)は同じ幅となっています。(C)のタイプはpicket boatと明記してある場合があり、操舵室の風除けが高くなっているのが特徴的です。
 さらに、このクラスにはレパルスに搭載されていたタイプもあります。レパルス1941制作記#6の8-2に記載しています。

6-5. 35ft motor pinnace/fast motor boat/admiral's barge

35ft motor pinnace/fast motor boat/admiral's barge

 35ft級の機動艇にも、異なるタイプがあります。(A、B、C、D)は、後部船室が作り付けですが、中央と前部は幌が掛けられるようになっていて、35ft motor pinnaceと呼ばれていました。(E、F)は、後部と中央部が作り付けの船室で、35ft admiral's bargeと呼ばれれていました。(G)は3D製品で見かけましたがどっちつかずの形状です。

6-6. 35ft fast motor boat

35ft fast motor boat

 35ft級にはFMBもあり、操舵室が前部にあるタイプ(A、B、C、D)と後部にあるタイプ(E、F、G、H、I、J)がありました。
 さらにFMBには、35ft級をそのまま小型にしたような、30ft、25ft、16ft級がありました。

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