見出し画像

ミニチュアを撮る話

直近で大規模な撮影は無事に終えることができたけれど、小さな撮影はまだちょいちょい残っている。
今は、ロケで撮った風景の素材にミニチュアを合成して馴染ませる作業をしていて、絶賛ミニチュア撮影中だ。時間がなかなか取れない中でも少しずつ撮影はしなければならない。

ミニチュアを撮影する時に一番気になるのは、画質とピントである。
小さなものを撮影すると、どうしてもピントは合いづらい。近くにピントが合うと奥がボケてしまったりして、いかにもミニチュアというのが分かってしまう。これは、カメラのレンズから入ってくる光が多すぎるからだ。
カメラのレンズはF値というもので表されるが、F値を小さくするとレンズが開いて光がたくさん入ってくる。そのため、暗いところでもはっきりと映すことができる。逆にF値を上げるとレンズが絞られて、光が入ってくる穴が小さくなるので全体にピントが合いやすくなるが、画が暗くなる。

ミニチュアをはっきりと撮影したい時は、小さな対象物全体にピントを合わせる必要がある。そのためにはF値を上げなければいけない。そもそも、普通のカメラのレンズはミニチュア撮影向きではないので、F値も11くらいで限界になってしまう。光量をたっぷりにしてもピンボケしている部分がやや大きめであるから、今のカメラやレンズではちょっとミニチュア撮影は難しいかもしれない。

もう一つの手段として、360°カメラの広角レンズを使う方法も検討している。
広角レンズ自体がかなりピントが合いやすい特質があるが、問題は画質だ。もともとアクションカメラとして想定されているので、一眼レフなどよりもうんと画質が落ちるだろう。シャッタースピードもそれほど調整できるものではないので、日中に太陽光をたくさん取り入れて撮影した方がいいだろう。
ここまでやって画質がそれほど良くなかったら、もう正攻法のミニチュア撮影は諦めるほかない。いずれにしても頑張りどころだ。

いいなと思ったら応援しよう!