影山レオ(thursar)

アートプロジェクト「thursar」主宰。映画と文学と猫をこよなく愛します。レガシーデ…

影山レオ(thursar)

アートプロジェクト「thursar」主宰。映画と文学と猫をこよなく愛します。レガシーデバイスの瓦礫で3D/VRの映像やデジタルアートを作ったりしています。

マガジン

  • くわいじん録

    つれづれに“くわいじん”の日常について書き連ねる記録です。

  • 生存報告

    文章を書かない日は、その日にした活動を記録します。

  • シネマ・ヴェイン

    好きな映画やおすすめの映画のこと、劇場で見た新作映画のことなど、時には記憶のみを頼りにして、感想や批評を書いたりしています。

  • 巨人育成日誌

    芸術連盟「THURSAR(スルサル)」の活動や運営についての日誌。

  • 創作ノート

    thursarの企画や創作に関わるメモなど。

最近の記事

わが心の高畑勲

今日も今日とて、高畑勲さんの話である。 僕は、ずっと幼い頃からスタジオジブリの作品を見てきて、当然ながら宮崎駿監督作品も高畑勲監督作品も両方とも見たことがある。しかし、「スタジオジブリ」と聞いたら「宮崎駿」と答えたくなるくらいには、『もののけ姫』だとか『天空の城ラピュタ』だとか『風の谷のナウシカ』が好きで、それはもう飽きるくらい見てきたのである。 一方、高畑勲さんについては、「スタジオジブリの監督で『平成狸合戦ぽんぽこ』を作った人」というざっくりとした認識はあったものの、

    • 生存報告17

      海外のNetflixで『火垂るの墓』が配信開始されたので、よく取り沙汰される『火垂るの墓』の論争を題材に記事を書こうとしていた。 監督である高畑勲さんの『火垂るの墓』に関するインタビューは3つあることを知っていたので、それぞれを引用してきてサクッと記事がまとめられるかな、などと考えていたところ、なんとよく持ち出されるインタビュー記事が不正確ということがわかった。 ちょっと待て。それでは話が色々変わってくる。 「清太を糾弾するとは! やはりそんな冷たい時代がやってくることを

      • 『ターミネーター0』台詞 日英対照表:Model 101

        アメリカのクリエイター:マットソン・トムリンとProduction I.GによるSFアニメシリーズ『ターミネーター0』は、現在Netflixにて配信中である。 本作は日米共同制作ということで、ショーランナーを務めるマットソン・トムリンが脚本を執筆し、日本のスタジオがそのアニメーションを制作するというスタイルが採られている。 制作の過程は詳細には明かされてはいないが、恐らくマットソンの構想や脚本が日本語に翻訳され、それを基に日本でアニメーションが制作された後、それぞれの国で日

        • 生存報告16

          『ターミネーター0』の日英対照表を作っている。作っているぞ。 第1話だけでもあまりに細かな違いがあって、書き出すのは思ってたよりも大変な作業だ。英文を起こすのもそれを翻訳するのもかなり骨が折れる。 しかし、自分の英語力が試せるのもなかなか面白いところではあるし、作品に対する理解も深まるので、これはこれで悪くはない。ただ、あまり時間はかけたくないのがホンネではある。 これから、マルコムとココロの対話シーンになると、いよいよ大量の言葉を訳して文字起こししなければいけないだろう。そ

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          【アニメ評】『ターミネーター0』第1話 Model 101

          はじめに『ターミネーター0』は、2024年8月29日より動画配信サービスNetflixで配信が開始された、『ターミネーター』シリーズ初のアニメーション作品である。 アメリカのクリエイター:マットソン・トムリンがショーランナー兼脚本を務め、『攻殻機動隊』などを制作した日本のアニメーションスタジオ“Production I.G”がアニメーションを手掛ける。 『ターミネーター』シリーズは、1984年に公開された第1作から数えてすでに40年も続いている人気シリーズである。それゆえ

          【アニメ評】『ターミネーター0』第1話 Model 101

          全部を支配しようとしないこと

          仕事だとか趣味だとか立場上の付き合いだとか、人には色々な形の関係がある。 そうした交流の中では、音楽や映画や文学やスポーツ、歴史の話や時事ネタなどについて、会話が交わされることがあるかもしれない。それは、自分の好きな話題かもしれないし、あまり聞きたくない嫌いなことかもしれない。 しかし、関心のあることでもないことでも、自分が知っていることを発信したり、あるいは興味のないことを聞いたりして交流することは、その人の様々な変化を促す。 もしかしたら、知っていることでも話しているうち

          全部を支配しようとしないこと

          生存報告15

          今日は動画の撮影と編集にかかりきりになってしまい、やりたいことリストの1つ目しか達成することはできなかった。 午前中にミニチュアの撮影をしたが、これが思った以上に手間取った。手振れもピンボケも細かいところで発生。それを気にして午後まで撮影を続けたが、結局、最初の方に撮影した素材が一番良かったというオチである。 実際に編集をしてみてなかなか上手くいったような気もするが、どうしても手振れが気になり、1ピクセル・2ピクセルの細かい修正を続けていたら夕方になってしまっていた。 しか

          生存報告14

          今日のうちに明日やることを整理しておく。 午前中にミニチュア撮影を済ませる 自然光があることでミニチュアの質感もかなり本物っぽくなるのだ。 エイリアンVRの撮影 宇宙船っぽい内装をVRで作るのがなかなか難しく、色々な場所で素材は撮ってあるが、うまくハマるかはまだ分からない。 『ターミネーター0』の論評を仕上げる 一番大きな部分は日本語版と英語版の違いだが、これは数が多すぎるので、別途その部分だけ比較した記事を書くつもりだ。まずは、1話のストーリーと演出のみをしっかり論じ

          生存報告13

          『ターミネーター0』の論評をちまちまと書き続けている。 本来なら、映画の編集も進めたいし、小説のプロットももっと固めておきたい。サイトのデザインも調整したいし、ボーッと映画を見たい気持ちもある。やることがたくさんあって頭がパンクしそうだ。 ところで、『ターミネーター』シリーズの考察をしていて改めて気がついたことだけれど、どうもこのシリーズは年代設定がいい加減である。 『ターミネーター』は1984年が舞台。『ターミネーター2』はジョン・コナーが10歳なので1994年…と思いき

          生存報告12

          『ターミネーター0』第1話の評論が2500字を超えたので、一旦下書き保存して明日に回すことにする。 1シーン1シーンを細かに論じているので、読んでみると結構しつこいかもしれない。しかし、そもそもアニメーションというのはアニメーターが作画したものを1枚1枚繋げて作られているものだ。全てのカットに人間の意図が介在しているのだから、その意図がうまくいっている部分・そうでない部分を汲み取ってしっかりと評論するのも、クリエイターにとってはとても大切なことだと思う。 アニメーションをな

          生存報告11

          『ターミネーター0』の評論をするために第1話から見返していたところ、翻訳に関する重大な事実が判明したため、これはじっくり検証しなくてはいけないと思った次第である。 英語版の音声で鑑賞し、日本語に訳されていない箇所は自分で翻訳しなければならないので、全話を評論するのは時間がかかるかもしれない。だが、恐らくこの点に気がついているのは全世界でも今はまだ数人しかいないはずであろうから、それはそれで気合いが入るというものだ。 今日のところは1話だけ再鑑賞したので、あとはウェブサイトの

          古典文学はどうやったら面白くなるか

          2020年公開の『ザ・ハント』という映画で「あなた、『動物農場』を読んだことがあるの?」という台詞がある。 細かい経緯は省略するけれども、ジョージ・オーウェルという作家が書いたこの小説から引用して、登場人物たちはニックネームを付けられるのだけれど、これを引用した人物は、相手がこうした古典文学を読んで内容を知っているとは思っていなかったのである。 しかし、アメリカでも日本でも世界中どこでも、こうした名作と呼ばれる古典文学をちゃんと読んでいる人というのはそれほど多くない。 日本

          古典文学はどうやったら面白くなるか

          生存報告10

          列車のミニチュア撮影を敢行。 HOゲージという少し大きめの客車が届いたため、午前のうちにパーツを整えて撮影に臨んだ。 大きさがあるので、以前から使っていたNゲージよりは角度を調整しやすくなった。しかし、実際にレンズに映してみると、やはり全体にピントは合わせるのは難しいらしい。 そこで、カメラを固定して奥と手前の2枚の写真を撮り、編集の段階でピントの合った部分を合成して使用する方法を撮った。HDR撮影という手法は、複数の写真を合成して明るさを調整した1枚を作るものだが、ピント

          映画は最後まで見なくてもいい?

          映画というのは面白いものだ。 1895年に映画が発明されてから今に至るまで、映画は世界中で絶えず作られており、2017年の外務省の資料では、1年間に作られる映画の本数は、インドで1,986本、中国で874本、米国で660本にも上る。また、全世界で1年間に作られる映画の上映時間を合わせると、人の一生分の時間を軽く超えてしまうという。 ところで、世の中には退屈な映画・どうしても楽しめない映画というのも存在する。それは、役者の演技が下手だったり脚本が陳腐だったりと作品自体の質が悪

          映画は最後まで見なくてもいい?

          生存報告09

          本日は自分の映画の編集作業を実行中。 ラストシーンのコスモス畑を表現するカッティング作業のため、2年前の秋に撮影したコスモスの映像を延々と眺めて切り貼りしていた。 当時はあまり気にしていなかったが、コスモス畑には蜜蜂や蝶がたくさん飛んでいた。撮影素材は基本的にどれも長めに撮影していたのだが、6秒の長さが欲しい時に5秒目で蜂が画面を横切ったりすることがあって悔しい想いをしたりしている。 虫が飛んでいるのも素材の味ではあるけれども、タイミングやシャッタースピードの関係で映したくな

          焼肉半額セール

          巷では、女性のみ焼肉食べ放題が半額になるキャンペーンがあるということで盛り上がっているらしい。 僕は焼肉を滅多に食べに行かないので、あまり関係のない話なのだけれど、「男性は半額にならないのは男性差別ではないか!」という意見から騒動になり始めているらしく、なかなか面白い見方だと思ったので、少しそのことを書いてみよう。 まず、最近のスタンダードな考え方では「いかなる差別もしてはいけない」ということになっている。 ここでいう差別とは「比べたら分かる理不尽な取り扱い」のことを指して

          焼肉半額セール