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「彼氏いない歴🟰年齢」同盟を結んでいた親友に彼氏ができた

タイトルの通り、私は生まれてから24年間、一度も彼氏ができたことがない。さらに言うと、好きな人さえもできたことがない。

恋愛に興味がないわけではないのだ。小さい頃から月刊誌を毎月欠かさず買うくらいには少女漫画が大好きだったし(私の青春は「ちゃお」「Sho-Comi」「マーガレット」と共にあったと言っても過言ではない。)、恋愛もののドラマや映画も大好きだ。
理想の出会い方やタイプは語り出したら止まらない。

自分の人生を振り返っても、恋愛要素が0だったわけではない。
職場の先輩の紹介でお見合いみたいなことをしたことは何度かあったし、少し良いなと思ってた人と2人で出掛けたこともあった。

でも、そこから "好き"  には繋がらなかった。

未だに私は、落としたハンカチを拾ったのをきっかけに…とか、本屋さんで同じ本を手に取っちゃって…とかそんな運命的な出会いがしたい、と夢みている。今年で24歳。

まわりの友達や同級生は、彼氏だの、結婚だの、もうすぐ子どもが生まれるだの、順調に、素晴らしい恋愛をしている。
そんな話を聞いても、私がそこまで落ち込まず、気負わずにいられたのは、そう、小学校からの親友が私と同じように「彼氏いない歴=年齢」だったからだ。親友が私の、お互いの心の支えだったのだ。

だかしかし、今年の初めに転機が訪れた。



親友に、彼氏ができた。



か、、か、れし?え、、?なにそれ、、?おいしいの、、?

出会いは友人の紹介、そこからお互い惹かれあい、あれよあれよと事は進み、出会いから1ヶ月足らずで交際スタート。

えっと、展開はやすぎない?いや、別にいいけど、
私たち同盟結んでたよね?それも、大丈夫だけど、
同じタイミングで彼氏できたらいいねって言い合ってたよね?うん、全然大丈夫だけど!!

ずっと同じ歩幅で隣にいた親友が、もう目視できないくらい遥か遠くに行ってしまったような気がして、ただただ寂しかった。


でも、
親友の幸せ喜ばずして、親友と名乗るべからず。
その時の私は、心の中は大荒れだったけど、ちゃんと「おめでとう」って言えたし、デートに行くからって一緒にコーディネート考えたりした。ちゃんと楽しかった。

今はまだ、寂しいと嬉しいがせめぎ合って複雑だけど、時間がたてばちゃんと受け入れられる。だから親友よ、私のことはいいから、幸せになれ!


と本気で思っていた矢先、2度目の転機が訪れる。



親友の彼氏、クソ男だとわかる。



もー頭に来たよね。最初の感情は怒りでしかなかった。私の親友に何してくれとんじゃ!!と。
どれほどのクソ男なのかのクソエピは話せばキリがないけど、親友のプライバシーもあるので、ここでは伏せておく。でも、100人聞けば100人が「クソ男だ!」と思うくらいにはクソ男。

そこからの私は、親友を助けないと!っていう正義の味方モードに入ってしまって、親友を連れ出して永遠「別れなさい」と言い続けた。カフェとサイゼリアをハシゴして、永遠と。騙されてるだの、男は他にいくらでもいるだの、好きって勘違いしてるだけじゃないだの、ありとあらゆる言葉で親友を説得した。



結果、泣きながら「だって好きなんだもん」と言う親友によって、私の説得はあえなく失敗に終わる。

泣くほど好きなんだって思ったらさ、もう何も言えないよね。この恋は、親友と、その彼氏の2人の問題であって、私はただの部外者なんだもん。

友達は所詮、友達。恋愛を前にして、できることは何もない。親友は、10年以上一緒にいる私のことよりも、ぽっとでの、よく分からん男のことを信じるんだ。

悲しみを通り越えてもはや無。もう知らない。
勝手に2人でよろしくやってろ!
それであんたが傷ついたって私には関係ない。
私はただのお友達だから。


そこからは、親友と少し距離ができた。

たまに会っても、あっさい世間話をするだけ。
恋バナもしない。ましてや、クソ彼氏の話なんてもってのほか。

私からも聞かないし、親友も話さない。

だって聞いちゃったら、きっと第一声に
「なんで別れないの?」って言ってしまいそうだから。

親友は変わってしまった。

今までだったらおすすめした漫画やドラマはすぐに見てくれたのに、そうじゃなくなった。
親友は「仕事が忙しくて」って言うけどきっと違う。今まで私に使ってた時間を、彼氏のために使うようになったからだ。

いつか東京に行って、シェアハウスしようよ!なんて現実味のない夢の話をする時間が楽しかったけど、それもしなくなった。
だって親友は、私とじゃなくて彼氏との未来を見ているから。

親友が変わってしまったと感じる度に、私はどんどんどんどんメンヘラになっていった。


そして私は親友のことを
「彼氏ができる前はこんな人じゃなかった」とか、
「彼氏ができておもしろくなくなった」とか、
否定するようになった。

今思えば、彼氏ができたんだから変わって当たり前だ。
時間は有限なんだから、今まで私だけに使ってた時間を彼氏にも割くようになるのは当然のこと。
彼氏がいるからできるはずないのに、シェアハウスしようね!なんて言われたら私も腹が立つだろうし。

でもその時の私は、周りがみんな変わっていく中で、自分だけが取り残されたように思って、唯一の望みだった親友にも裏切られた気になって、親友のことを否定してしまう自分を「あんたが変わったせいだよ」と言って、正当化しようとした。

学生時代から同じ部活で切磋琢磨して、数えきれないほど遊んで、好きなものも嫌いなものもなんでも共有して、心の底から大好きだった親友のことを、ほんの、ほんの少しだけ、嫌いになってしまった。
親友に(クソ)彼氏ができたせいで。



だがしかし、この世には"時間薬"というものがある。

そんな私も、時間が経って、ある程度のことは飲み込んで消化できるようになった。
「親友が幸せならそれでいいよ」とまで思えるようになった。時間が私を成長させてくれた。

そして久しぶりに会った親友に彼氏のことを聞いてみた。
あのクソ彼氏は、ちょいクソ彼氏に成長していた。
(まだクソだけど前よりは全然まし)

いまだに、何が良くて付き合ってるの?とは思うけど、前ほど別れたほうが良いとは思わなくなった。


今だから言えるけど、別れなさいと説得していたその背景には、もちろん親友のためを思ってがほとんどだけど、ほんの少しだけ、彼氏がいない親友に戻ってほしいという私の願望が含まれていたと思う。

あの頃の私は友情に、親友に、依存しすぎていたんだ。


でも今は違う。
親友には彼氏と幸せな日々を送ってほしいし(たまには私の相手をしてもらいながら)、
私は私で恋愛もしたいけど、それ以上にやりたいこととか夢がたくさんある。
お互い自分の人生を楽しんで、たまにそれを共有して、大人な友情関係を築いていけたらなと、心の底から思っている。


親友に彼氏ができた。
ただそれだけのこと。
親友は、親友だ。
私の大切な親友だ。


とは言いつつ、もしも親友が彼氏と別れることがあったらその時は、盛大に「別れておめでとうパーティー」を開催してあげるつもりだ。

だから親友よ、そのパーティーを私に開催させないように、彼氏と幸せになってくれ。


そしていつか、親友に結婚報告をされた時に、心からお祝いの言葉を送れる自分であるために、

私は成長するんだ。

恋愛しなくたって、人生はいくらでも楽しくできる。

私は私の人生を謳歌するんだ。

世界のどこかにきっといると信じている運命の人に出会うその日まで、

「彼氏いない歴=年齢」を更新しながら。














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