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写真展の内容を決めるまでに考えたこと色々
展示会場について
久保講堂とは
今回お借りした展示会場は自分の地元、栃木県真岡市にあります有形文化財、久保講堂という歴史的にも大変価値のある由緒正しき場所です。ぶっちゃけますが、こんな素敵な場所でやれるとは思ってなかった、、、決まったのが8月半ばごろ。展示は12月20日から。4カ月間の苦悩の日々?が始まりました。
久保講堂に決定するまではリンクの過去記事にて。
以下Wikipediaより
真岡市久保講堂は、栃木県真岡市田町にある、芸術・文化施設。美術評論家の久保貞次郎が祖父の傘寿記念に真岡尋常高等小学校に寄付した講堂であり、遠藤新が設計を手掛けた。「真岡市久保講堂」の名称で日本の登録有形文化財に登録されている。
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素晴らしい空間
久保講堂に1歩足を踏み入れると、そこにはタイムスリップしたかのような空間が広がっています。それもそのはず、この講堂は自分の母が小学生時代に実際に校長先生の話を聞いていた場所です。木目の美しい床、窓からは冬には斜光がたくさん入るでしょう。柱は少なく、空間全体がすでにめちゃくちゃ素敵です。ですが広い、、、広すぎる、、、。自分一人でこのスペースを使い切ることができるのだろうか、そんな不安がよぎります。
真岡市の久保講堂webサイトより
https://www.city.moka.lg.jp/kakuka/bunka/gyomu/rekishi_bunka/rekishi_bunkazai/3/917.html
展示までのプロセス
1歩目
久保講堂は絵画展や、書道展、写真展もたくさんの企画展が年間を通じて行われている場所です。そういった意味では設備はとても充実していて、無料で借りられる有孔ボードを設置すれば展示する場所には全く困りません。ですが、ボードを使うことで空間を仕切ることになり、目線が切られてしまいます。それはもったいなすぎる、、、そこでこの空間をそのまま見せることを意識した展示にしようと考えました。
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2歩目
ボードを使用しないとなると、考えられる展示方法はなんだろう。板で白くて四角い台を作ってそれに1点ずつ乗せていく感じなら視線も遮らずかっこいい展示になるだろう。でもこの広いスペースに一体いくつ台を用意すればいいのか、、、そのコストも大変なことになる。。。そんな予算はないんです。
久保講堂は窓がある両サイドが1段高くなっていて、そこの段上を展示に使うことや、その段に写真を立てかけて展示することを考えました。ただ直接床に置くのはやっぱり嫌だったのでなんとかして高さを出したい、そこで閃いたのが、写真の素材にも使っているペットボトルでした。それを一つの写真に対して最低3本用意すれば台座として使うことができる。これはごみをテーマにしている自分にしかできない、やらないことだと思いました。
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3歩目
最初から考えていたこともありました。それは作品と、その作品に使用したごみを一緒に展示するというものでした。作品の写真ではごみがごみとは一瞬見えないようにかっこよくライティングされています。ごみの問題をテーマにするときに、写真はきれいにかっこよく、軽やかに表現しようと決めていたのですが、ごみ問題はそんな雰囲気とは真逆の難しい問題です。今回の展示では実物のごみの劣化具合を見てもらうことでそのギャップをより感じてもらいたいと思いました。
ではそれをどう展示するか。今回の展示でこだわったことがあります。新品をなるべく使わないことと、ごみとなってしまうものをなるべく使わないことです。自分はこれまでの展示でも額をリユース品のみで展示してきました。リサイクルショップを巡り、額を探し、それをリメイクして使用しています。そして今回は撮影で使用している背景紙を展示にも再利用しようと考えました。(経費も大きく削減!)カラフルな背景紙を使うことでリアルの展示でもごみの問題を軽やかに展示することができるように思いました。
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4歩目
そして最後に全体の空間のイメージ作りをしたと思います。その際に意識したのが川です。普段自分がごみ拾いをしている場所が川だったので、そこで拾ってきたごみを使った作品も、川の流れのような配置にしてみようかと思いました。そしてそこにはごみが溜まる場所があり、そこからその負のエネルギーを吸い取って木や花が生えている。そんな展示にしようと考えました。
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設営当日
思い描いていたイメージをそのまま表現するのは難しかったです。まず真ん中の列に川を表現しようと大きなビニールシート(ゴミ拾いイベントの時にたくさんのごみを車で運ぶ時に使っている汚れ防止のシートを再利用)を川の流れに見立てて敷いてみました。が、、、展示が雑に見えたので諦めました。
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その代わりに実家の親が日々知人、友人に頼んで集めてくれていた台座用として考えていたペットボトルが、めちゃくちゃ頑張って集めてくれて大量に余っていたので、それを並べてみました。すると光が当たってキラキラしてとてもきれいです。これは良い!ここを展示の中心となるようにしました。
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12月の斜光にも助けられ、美しい光の中の展示となりました。初めは懸念点でしかなかった久保講堂の広さも自分に見方をしてくれて、今回初めて展示した「SOIL」シリーズも含め、5つのシリーズをゆったりと展示することができました。
そもそも真岡での展示をするきっかけとなったのは祖父母に見てもらいたいというものでした。ふたりも無事展示を見てくれて、祖父母孝行もできたかな、、、
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今回開催までにたくさんの方にお世話になりました。この場を借りて感謝申し上げます。久保講堂にも感謝!
ありがとうございました!!!
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