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映像は職人よりも器用貧乏が必要な時代

映像業界歴約20年になりました。
そんな私が最近よく感じることがあります。
「技術を突き詰めた職人のような映像屋は求められる機会減ったな…」
言葉だけでは理解しにくいと思うので2本の動画をご覧ください。

↓動画1(ポートフォリオ・コンセプトムービー)

↓動画2(作り途中コンセプトムービー)

どちらが「経験を積まなければ作れない動画」でどちらが「経験が無くても作れる動画」かわかりますでしょうか?

正解は動画1が誰でも作れる動画で、動画2が技術が無いと作れない動画です。
動画1はネットにアップロードされているAfterEffectsのテンプレートを使用して自分の画像や動画を入れただけの動画です。(流石に少しオリジナルでいじっていますが、元テンプレートでも大きくは変わりません)
一方動画2はライティングやカメラワーク、編集などを練って撮影して全て狙いで作った動画です。

動画は結局出来上がりが全てです。
良い動画が出来れば過程は関係ない。それはクライアントからしてもそうです。
対クライアントとなった時に動画1でも十分通用する場合が多いです。

技術があればテンプレートを改変してより良くすることも可能ですが、それが出来なくてもこれくらいのものは出来てしまう。
そしてこのようなテンプレートが様々な種類とてつもない量ネットにはあります。プロの現場でもテンプレートを購入して時短や予算軽減に使う。そんなことが当然行われています。
そして今後はAIでも動画編集が出来てしまう時代です。
テンプレートやAIを使う技術が今後は大切になってくるように感じています。
職人としての技術ではなく、流動的に様々な技術をアップデートできる器用貧乏が求められる。求められるものが徐々に変化してきているように感じています。

職人気味に映像の仕事をしてきた私としてはとても残念なことですが、
これは時代の流れで、映像業界にいる限りはその流れに従わなくては仕事としてやっていけません。
時代に合わせて仕事の内容が変わっていく…動画もそんな過渡期なのかもしれませんね。


筆者:哉司
1998年から3DCGをはじめ、ゲーム会社インターンを経て映像制作会社でTV番組、MV、CMなどを学ぶ。
2004年にフリーの映像ディレクター、グラフィッカーとなる。
街頭ビジョン、TV番組、自主映画、カメラマン、俳優、Youtubeなどで活動している。
監督出演作「殺し屋ジャスティスレッド」

運営Youtubeチャンネル「自主映画応援チャンネル」


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