12月12日23時54分
ジェニンにいる友人スザーンとのやり取りを日記にしています。
スザーンとの日記シリーズへのサポートはスザーンとこれから制作するアート作品の製作費に使わせていただきます。
今週パレスチナ自治政府がジェニンキャンプを攻撃していたのを知っていたのでスザーンに電話することが少し気が引けていた。
本当は火曜日に電話しようと思っていたけど、ずるずるとせずに結局木曜日になってしまった。なんて声をかけたらいいのかわからなかった。
水曜日は少年が自治政府の攻撃によって犠牲となり葬儀も行われていたからだ。イスラエルからの攻撃はニュースにもなるが、自治政府からの攻撃さえもあると一体どれだけの人が知っているだろう。
夜10時頃に電話しようかと思っていたけど、なかなか気が乗らず11時頃に電話するからね!とテキストを送った。
MacBookの画面にiPhoneを立てかけてスピーカーにしてコールボタンをタップした。
スザーンが応答すると、騒がしい。
シアタースクールにいた。子どもたちのワークショップの撮影に来てる。ラニーンもモーメンもマフムードにいるよ!
みんなの声が聞こえる、と同時に銃声も爆発音も聞こえてきた。
パレスチナ自治政府の攻撃は終わっていなかった。
銃声が聞こえなくなると、
「はあ、こんなもんよ、ここは、死んでる。そっちは?」
「私はストーブ買った。寒くなったから、今まで1つも持ってなかったのよ!」
努めて明るく言った。
「まじ?少なくとも1つは持ってないと。こっちはね、いい季節よ。暑くもなくて。私、今まで雪も見たことないのよ。ジェニンは標高が低いから。」
「アズーサー!ハビバティ、元気か?」
「マフムード!元気??」
スザーンの携帯の前に人が集まってるみたいだった。
「マフムード、日本の映画祭で200metersが上映されるのよ。私、みんなにあなたの話してるんだから!」
「ありがとう。どんどん話してくれよ!」
「YOU ARE LUCKY」
スザーンが言った。
映画祭に行けるなんてラッキーよね。
なんて返事したらいいのかわからなかった。私とスザーンは友達なのに、持ってる権利が全然違う。私はどこへでも自由に行ける。自国内も海外だってある程度は飛行機に乗ればどこでも行けるし、ビザが必要な国にも大体大丈夫だろう。誰がこの権利を私にはくれて、スザーンにはあげないんだろう。どうしてなんだろう。
「ここにいたら何もできない。何の可能性もない。」というスザーンに
「難しいけど、可能性がゼロじゃないから」と私は答えた。この答えは言うべきだったのかどうなのか、わからなかった。だけど、彼女にはどうしても生きて欲しかった。私のわがままかもしれないけど。
「この冬の間に私があらかた脚本書くから!」思わず言ってしまった。
ここから下を有料にしたのはそのお金をスザーンと作る作品の制作費にするためです。ぜひ読んで私たちの作品作り関わってください。
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