シリア人ムハンマド
ガザ人ムハンマドの紹介で友達となったシリア人ムハンマド。彼らは難民であり母国語がアラビア語という共通点があり友人となった。シリア人ムハンマドから奥様を紹介したいからということでお宅にご招待される。
さあ、行こう!トラムですぐだから!
ガザ人ムハンマドはあとから合流すると言って、シリア人ムハンマドと2人で彼の住むアパートメントに向かう。
その前にもう一人紹介したい人がいるんだ。すぐ近くだからそこに寄り道してから行こうよ!いい?
半ば強引に、流れに任せて、わたしは同意して付いて行った。大通りに面したアパートメントのインターフォンを押してエントランスを開けてもらう。細い階段を上って3階。美しい女性がドアを開けて待ってくれていた。
ウェルカム!ムハンマドの姉です。入って。
彼のお姉さんだった。部屋の中には小さな小さな赤ちゃんがスヤスヤと眠っている。聞くと生後2ヶ月だった。
お姉ちゃんも料理が上手なんだよ。今日は何かある?
モロヘイヤのスープがあるわ。ぜひ食べて行ってよ!シリア料理は美味しいんだから!
どこの国の人も自国の料理が一番美味しい!と口を揃えて言う。自信たっぷりに。
わたしもキッチンに入っていい?
お姉さんがキッチンでモロヘイヤスープを準備するのをお手伝いさせてもらう。その間、ムハンマドは生まれたばかりの甥っ子をベッドから起こさないようにユックリと抱っこして幸せそうな顔をしている。
深い緑色の美しいスープ。
最後にこれを忘れないで!レモンよ。これをかけないとこのスープは完成しないわ。
ガーリックが効いたそのねっとりとしたモロヘイヤのスープはレモンの爽やかさで完成。ごはんにかけても美味しい。
急にお姉さんは白い美しい服に着替えた。おもむろに一畳ほどのカーペットを敷いた。長方形のカーペットの前に静かに立っている。お祈りが始まる。生活に当たり前に含まれているお祈り。まるで映画。
急に現実に戻る。
この服いいでしょ?お気に入りなのよ。礼拝用。
本当に素敵美しいもの。
普通の女子の会話。家の中にいるのでお姉さんは礼拝時以外はヒジャブもしていません。
++訪れてくれるみなさまへ+++
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