『エイトデイズ』
『エイトデイズ』 No.051
男は深夜前、自転車で数分の所にあるコンビニに来ていた
チューハイとフライドチキン、それとカップに入ったアイスクリーム
それらをカゴに入れ、家に帰る途中にある公園付近でチキンとアイスが同じ袋だと気付く
公園のベンチでアイスだけでも食べようと自転車を止めた
よく見ると買い物袋を取り出したカゴの中には、何か手帳らしきものが入っている
男はその黒い革張りの手帳を少し薄気味悪いと感じながらも、あるページを開いた…
このホシの“セブンデイズシステム”はなかなか興味深い…
”サンデー”なのに雨の日が多い
その名の雑誌も出なければ、パフェとの区別が難しい
”マンデー”なのに男以外もみんな普通に出歩いている
それならウーマンデーをつくる理由もないだろう
”チューズデー”はよくわからん
若者の専用挨拶か夏専門歌手か
”ウェンズデー”は一人の男性タレント専用なのか
この男性は一体何者なのか、さっぱりわからん
”サーズデー”はウィルスから付けられたのか
皆感染に気を付けてるようだが、それよりも恐ろしいことをこいつ等は知らない
”フライデー”が唯一の救いか
人間のスキャンダルと、揚げ物が上手い、特にエビがな
”サタデー”が最も愉快だ
奴らの中に潜むサタンが暴れだすからな
こちらがこのホシを支配した後には、セブンから”エイトデイズ”に変えてやろう
加えるのは、悪魔的な極上の香りを放つ…
誰が書いたか分からない、謎の日記はここで途切れていた
男の頭は混乱し始め、暫くそのページを閉じれずにいる
やがて一つの感情がどこからともなく湧き上がってきた
その日記帳を自転車のカゴに入れ、フライドチキンにがっつく
そして家とは反対方向のにある定食屋に向かう
時刻は深夜を回り、新たな曜日を迎えていた…
皆さまからのお心遣い、ありがたく頂戴します。 そんなあなたは、今日もひときわ素敵です☆