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45歳、中流家庭。それでも家を買う(4)意外に大変な情報収集

(前回までのあらすじ)

70歳超の母のために賃貸マンション探しが難航。これをきっかけに終のすみか購入を目指す。ひとまず、自分が住む大阪郊外で何とか家を買えるという資金的な見通しはたった。さて、具体的に家を探すにはどうすればよいのか?

情報収集はwebから書籍へ

資金的にはなんとかなりそうだと考えられたが、実際に家を買うとなったらいったい何から手をつければ良いか。
思うに不動産というものはおそろしい。普通の会社勤めなら、自分の家を買うという行為は人生において1、2度というチャンスの少なさに反して、かけるおカネは数千万円。大きなローンも背負うのだ。失敗のできない戦いである。当然、私だって失敗したくない。
加えて、私は地域柄、マンションではなく一戸建てを購入しようとしている。一戸建てはマンションと異なり、個別性が強いため二次流通における流動性に欠ける。マンションに比べてさらに慎重にならざるを得ない。

どこから手をつければ良いかわからなかったので、ひとまずwebで情報収集を行なった。こちらとしては「どんな順番で何をすれば、快適な家が手に入るか?」が知りたいのに、出てくる情報は「ステキな間取り」や「子育てで安心な街はココ」といった断片的な情報しかない。せいぜい個人運営のブログで家を建てた人の話くらいである。情報は一般性に欠けるもので、私が望んだ教科書的通用性はなかった。マンションは購入までのルートが整備されているのに、一戸建ては荒地だ。

webでの情報収集を断念。大型の書店で教科書的な書籍を求めた。もっとも、こちらも芳しい結果は得られなかった。
設計事務所やハウスメーカーとタイアップして、そういった会社が自社物件をPRするムック本。あるいは、広大な土地があれば実現できる「ステキすぎる間取り」の事例集といった書籍が並んでいる。唯一参考になりそうだと思えたのが「家づくりのすべてがスラスラわかる本」(エクスナレッジ刊)だった。もっとも、この書籍も「外構工事は?」「登記については?」と素人が直面する家づくりにおける「?」に対して辞書/ハンドブック的に使いやすいつくり。時系列を追って家づくりを手ほどきしてくれる内容にはなっていない。

わからないときは専門家に聞いてしまえ!

webや書籍でいまいちわからなかったので、もうこうなったら専門家に聞くしかない。そこで、戸建てをメインに設計・施工している設計事務所にアポイントを取ることにした。不動産会社や、ハウスメーカー運営のモデルハウスに行かなかったのは、売らんかなの姿勢が強そうだと考えたため。単純な勘である。
探すと一戸建てをメインに取り扱う工務店兼設計事務所は多数ある。施工事例を多数掲載していて、狭い土地でも快適そうな家を建てているところをピックアップした。大阪の郊外とはいえそこまで広い土地は買えそうにない。よりリアルな事例を踏まえた話を聞けると考えたからだ。

⚪︎⚪︎工務店
ご担当者様

お世話になります。はじめてメールを差し上げます。
自宅の購入を考えています。まだ、土地を購入して家を建てるのか、建売住宅を買うのかも決めていません。
御社のホームページを拝見し、都市部の狭小地でも素敵な住宅を手掛けられているなと思いメールいたしました。
家づくりをするにあたって、何から手をつければよいかわからず、困っております。
そのような状態ですが、よろしければ、これからすべきことや手順など家づくりのイロハを教えていただきたく思います。あわせて御社の場合であればどのような家が建てられるかも知りたいです。
一度、お話を聞く機会をいただければ嬉しく思います。よろしくお願いいたします。
(住む場所は@@@@エリアで、子供のことを考え小学校の校区は変えたくないなと考えております)

大ざっぱに上記のような内容のメールを送信すると、すぐに返事があった。

@@様

お世話になります。弊社に興味を持ってくださりありがとうございます。
@@@@校区で家探しをされているとのこと、承知しました。
校区以外でお土地に関する条件や家づくりで叶えたい希望などをお聞かせいただいてからのほうが、@@様ご家族がのぞむ家づくりやお土地探しができるかと思います。
お土地からの家づくりの場合、資金計画も重要になってきますので、その点についてのお考えもお聞かせいただきたいです。
下記にお打ち合わせ候補日をまとめました。ご都合の良いお日にちをお知らせください。

@月@日 @@時〜
@月@日 @@時〜

大まかに上記のような返信だった。こちらの要望を踏まえ、打ち合わせで話す予定、ポイントをソッと伝えてくれる。とても信頼感がある内容だ。すぐにアポイントの日を決めた。


私は自分の知らないジャンル、未経験のジャンルについては「きちんと下調べをしてから臨む」というクセがある。数千万円のおカネをつぎ込んで買う家なので、なおさらしっかり調べたいという思いに駆られた。しかし、いざ調べ始めると結構大変。家づくりの教科書がない。マンションはたくさん書籍やwebが充実しているのに、違いに驚いた。今回の記事で紹介した「家づくりのすべてがスラスラわかる本」は、辞書的に使うのは有用だけれども、入門書ではない。入門書不在のジャンル、それが戸建て購入(建築を含む)。私はある工務店兼設計事務所に話を聞きに行って、悩みや不明点が霧散したのが良かったと思います。初手でその会社さんにお話を聞けたのはラッキーでした。次回はその方に聞いた内容を中心にまとめます。



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