見出し画像

授乳室は新米母の詰め所(入院22、23、24日目)

入院22日目(生後5日)

 夕方面会し、ミルクを飲ませに行く。哺乳瓶で吸い口をくわえさせるが、そのままフリーズして放心状態のようになってあまり飲んでくれなかった。ぺこぺこの薄い吸い口で、あまり力を使わずに吸えるものなのに。看護師さんは「まだ飲む練習中」なのだという。目のまぶたが、片目だけ一重のように見える。そんなところは私に似なくていいのに。

入院23日目(生後6日)

 朝、名前候補が数百から8案になり、そこから二つにまで絞られた。

 右胸の外側がカチカチになって痛かったけれど、助産師さんにマッサージしてもらいなんとか少し落ち着く。だいたい3時間おきに授乳室へ行って搾乳するが、深夜の授乳室は静まりかえっていて、燃え尽きそうなママさんたちの詰め所という感じだ。母乳の量が少ないと泣きそうな人、放心状態で乳を吸わせている人、黙々と搾乳機をかけている人。私はそんな中、部屋の片隅を定位置として、ガラスの哺乳瓶に向かって一心不乱に搾乳している。じょうごも使ってみたけれど、これが一番シンプルでやりやすい。まだ乳首のトラブルはないのでマシなのだと思う。

 昼食で、予告なく突然お祝い膳が来た。小鉢がとりどり、お膳にきれいに収められている。何よりもち米の赤飯がうれしすぎる。うるわしの赤飯おこわ。総合病院としてはすごく食事を頑張っている方だと思う。

 明日、血液検査と傷口の検査をして、大丈夫だったら3日後退院の予定となった。その足で出生届を出したり荷物を取りに行ったりしなくては。

 面会に来た夫と話し合い、名前が決まった。いろいろ大変だったので、木の生命力にあやかろうという意味の漢字を使った。夫は昨日新生児室の子を見て、改めて「うちは小さいんだ、保育器の外へまだ出られないんだ」と実感したらしい。それもあっての「生命力」推し。

入院24日目(生後7日)

 おととい、4人部屋に入られた方(斜め向かい)がいびきをかかれているからか、私の向かいの人が部屋を引っ越されるようだ。よくパソコン作業されていたから、居住性を死守したかったのだろう。

 今日は面会の時、目がぱっちりして、手足もよく動いていた。哺乳瓶で母乳も飲ませることができた。看護師さんは「泣き声も元気で手足の力も強いけど、飲むのはゆっっっくりですね。ゆっくり待てばちゃんと飲んでくれる」とのこと。親と同じく、食べるの遅い族かな…食い意地張ってるけど…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?