リーダーはリーダーだからリーダーなのである。リーダーの能力があるからリーダーになるわけではない。
リーダーはリーダーだからリーダーなのであって、リーダーの能力があるからリーダーになるわけではない。リーダーになることこそが、リーダーになるための最短ルートである。
最近仕事をしていてこのように思うできごとが複数あった。
まずは自分の話からしよう。2022年の2月に新しくSRE/Platformというチームが組成され、そこに配属された。僕は一番ジュニアのメンバーとして、いろいろなことを教わりながらなんとかプロジェクトに取り組んでいく立場だった。
その後人員の入れ替わりがあり現在のチーム構成は3名。エンジニアリングマネージャー + 正社員エンジニア (自分) + 業務委託のエンジニアの方。マネージャーは他のチームのマネジメントも行っており、このチームに投入できるリソースは限られていた。
この構成になってしばらく経ったころ、他チームのリーダーであるEさんという方に以下のような趣旨の言葉をもらった。
この言葉が刺さった。言い方はとてもさらっとしていて、さも冗談だったかのように軽く流してしまうこともできそうな調子だったが、確かに芯のある言葉として受け取った。
他のメンバーに比べて知識や技術の面でまだまだだった僕は、チーム内での振る舞いも学ぶ側という姿勢になっていた。これ以降、チームの活動を他チームに報告するタスクを担当させてもらったり、プロジェクトにおいて意思決定する範囲が広がったり、自分から提案することが増えたりと、より能動的に仕事をする機会を増やしていくきっかけとなった。チーム組成当初から比較すると、自分に最低限の仕事をする知識・技術が備わってきた頃合いだったことも良かったのだろう。
飲んだ帰り道に歩きながら話したことなので、もしかすると当の本人はもう覚えていないかもしれない。
別の話をしよう。弊社のエンジニア組織では開発だけを行っているわけではない。職種やチームを横断してエンジニアが集い、組織を活性化させるための活動がある。エンジニアCFT (Cross Functional Team) と呼ばれている。例えば、内部コミュニケーションを活性化するチーム、社員の登壇を支援するチーム、外部発信を促進するチームなどがある。
僕は2022年下期、voi-chordというVoicyチャンネルでエンジニアによる音声発信を行うCFTに参加していた。このチームのリーダーをCさんという方がしていた。Cさんは僕と同じく成長途上のメンバーで、それまでにリーダーを経験したことはなかったと話していた記憶がある。
はじめのうちは定例ミーティングの進め方からこのチームの活動自体まで、様々な面から困難に直面しているように見えた。しかしながら、半年間の活動を続けていくうちにどんどんリーダーらしい自信が垣間見えるようになっていった。今のCさんをリーダーになったばかりのCさんに見せたら驚くかもしれない。
また別の話をする。先ほど僕にリーダー意識についてさらっと説いてくれたEさんは、今年の目標のひとつにテックリードになるというのがあるらしい。それに先駆けて「テックリードのEです」と名乗っている。現在のところはまだテックリードではないのだが、まずは形から入ることが大切だと話していた。本当にそうだと思う。
ちなみに、リーダーの部分は他の役割にも置き換えられる気がしている。あらゆる役割について、はじめからその役割を完璧に満たせる人などいない (もしかすると少数はいるのかもしれないが) 。その役割になること自体がその役割になるための最短ルートなのだと思う。
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