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レスポンスに一喜一憂せず、一歩ずつ視野を広げて、バイアスなくシャープな目線を持ちたい

一定の成功を収め、レピュテーション・名声を確立した発信者・インフルエンサーならともかく、
一般人(筆者を含め)の発信・コメントは、頭ごなしに否定されたり、無視されたりすることも多いですね。

Critical thinkingに基づく活発な議論、建設的な意見交換ならいいのですが(仮に、最後まで意見が相容れなかったとしても)、必ずしもそうではなく、やや理不尽な否定や却下も起きえます。

そういうときには、結構落ち込んだり、残念な気持ちになったり、あるいは憤りを感じたりもしますが、捨てる神あれば拾う神あり、後から、過去のそういう経験を癒してくれるようなやりとりがなされる、ということもあります。

そんな話の実例を3つほど。

・地方と東京の若者の視野に関する格差

以前、教育関連のトークイベント(登壇者数名とモデレーターによるトークを観客が見るイベント)に参加したことがあります。

その質問タイムに、
「地方と東京とのビジネスや社会環境の違いによる、若者の経験や視野の格差を少しでも軽減するために、どんなアクションが有効と考えられますか?」
と聞いてみました。
(もちろん、「今日は興味深いお話をありがとうございます」から始めるなど、無礼でない聞き方をするように気をつけています。)

というのも、私自身も高校まで地方在住で大学から東京に来ているわけですが、高校・大学・社会人と過ごしてきて、やはり東京で育った人々とは差を感じていたからです。

この点は、何人か、地方出身の(とても優秀な)人たちと話をしても、同意されることが多いですね、同世代(アラフィフ)の友人でも、30代くらいの友人でも。

もちろん、地方にも情報としては、昔は新聞・テレビ・ラジオ、今ならWebでいろいろ入ってきますが、やはり自分の視野の届く範囲、友人・家族など直接会う人たちから情報が入る範囲しか興味・関心・認識が向かないケースが多いのではないでしょうか。

もちろん、たまたま、私や、私の友人たちのの素養が低かった、ということもあるかもしれません。地方出身で、若いころから起業してバリバリやってる人や、社内アントレ的に動けている人もいるのも事実なので、人にもよるのでしょう。

ともあれ、少なくない(と思われる)割合の地方出身者が感じている格差について、ご意見を伺おうとしたわけです。

ところが、登壇者の一人(某ビジネス系新興大学の教授)が、開口一番、
「地方と東京との格差と言うのは本当にあるのですか?私はそうは思いません」
と一蹴されて、答えてももらえなかったのです。

フラットで対等なディスカッションならともかく、登壇者に(大勢の)参加者が質問する形式でもあり、それ以上の話はできなくて、こうなってしまうと他の登壇者も何かコメントする流れにはならず、ということで、とても残念に感じるとともに、「やっぱり、たまたま、私や私の友人が駄目だっただけなのかもな」と思っていました。

ところが最近、ある有名な起業家の方が、

「地方の高校生に将来何になりたいかと聞くと、自分の身近な職業に偏る。
東京は、若者の観測範囲内にある身近な職業、ロールモデルが豊富にあるから選択の幅が広くなる。地方だと観測範囲にある「なりたいもの」のバリエーションが少ない。だから、観測範囲にないものをどう想像させるのか、そのための手触りのある生きた情報を伝えていくような教育が必要」
(要約・引用)

とコメントされていて、勇気づけられる気がしました。

・決済方法におけるFelicaとQRコード

とある、中央銀行のフィンテック組織の偉い方の講演を聞きに行ったときのこと。

中国におけるQRコード決済の隆盛、および日本は遅れていて、早晩中国をキャッチアップする動きになるだろう、
というお話がありました。

もちろん、QRコード決済自体は(その後の動向のとおり)日本でも導入されるし、電子決済の幅が広がるメリットも大きく、また決済データの活用などの展開も大切です。
しかし、スマホで様々な機能を使うには、
スマホをバッグから取り出し、スマホ起動、暗証番号入力(または指紋や顔で認証)、アプリを立ち上げ、アプリ内の操作・画面展開、目的の機能を利用、
と長いプロセスがかかります。

一方、日本では日常、SUICAやNanacoでサッと決済できています。

そこで、質問コーナーで、
「日本ではFelicaを使った決済の仕組みがかなり行き渡っています。QRコードと比べても利便性では勝るとも劣らないような気もします。
 この点はどのように思われますか」
と聞いてみたところ、

「Felicaは端末代金が高すぎてお話になりません!」
と一刀両断でした。

既に、コンビニなど頻繁に少額の買い物をする店舗では既にFelicaを読める端末が行き渡っていることからしても、あるいは、決済という日々のタスクにおける利便性からしても、言下に否定されるのは不本意でしたが、みんな質問の手をあげているところで議論するわけにもいきませんから、それで終わりになりました。


ところが最近、ある有名なベンチャーキャピタル兼コンサルタントの方が、
「SuicaやiDなどの非接触ペイメントを使ってる人は、不便なQR決済を使うことはないので、定着しないのではないか」(要約・引用)
とコメントされていました。

もちろん、クーポン機能やポイント機能との連携、端末のない場所での決済など、QRコードが活躍する可能性のある領域もあると思うので、まだまだこの先どうなるか分かりませんが、ちょっと溜飲を下げることができました。

・生産性と価格水準

最後は、やりとりで残念な思いをしたことのリカバリー、ではありません。

以前にNoteで、一般のアカデミックな議論で言われていることとちょっと違う意見を書いてみたことがあるのですが、最近、高名な学者の方がそれと近い趣旨の内容を書かれていて、嬉しく思った、という出来事です。

学者の方の引用
「通常、生産性は一定の生産要素の投入量に対してどれだけの量が作れるかを表すもので、価格は関係ないと考えられがちだ。
しかし実は、生産性が低いとしばしば問題になるサービス産業では、売上量を計測できないため、売上額がアウトプットとして使われている。
つまりサービス産業の生産性の低さは、低価格、低マージン(利幅)が多分に影響している面がある。」

筆者のNote「生産性について考えてみた」からの引用
「モノ・サービスとして産み出された「量×質」そのものを純粋に直接に測ることは難しいので、粗利益であったり、GDPであったり、何らかの数字を指標として使う訳ですが、そこに「付加価値を正しく把握する数字」としては限界がある、ということではないでしょうか。」

素朴な疑問、素人としての意見として書いたNoteですが、こういうことがあると嬉しいですね。

・まとめ

本稿はまとめるような内容のNoteではありませんが、一応。

冒頭に書いたことの繰り返しにもなりますが、

色々と書いたり、コメントしたり、意見表明したりしていると、思いがけない否定や却下に会うこともあります。もちろん、自分が間違っていること、知識が足らずに浅すぎるコメントをしてしまっていること、などもあるので、そういう場合は仕方がありません。

もう一度よく反芻して考えたり、勉強してみる良い機会とすれば、成長することができます。

一方、そうではなく、先方が浅慮、誤解、虫の居所などに起因して、ぞんざいな対応をしていることもあります。

そういうときにも、焦らず腐らず、あまり気にせずに、自分として一歩ずつ勉強していけば、地道に着実に知識と視野を広げて行けば、またいいこともあるのだと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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