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【モロッコ/マラケシュ】ヒッピーおじさんの数奇な人生
中国ウイグルから1人でフラフラと旅を続け、約3か月かけてモロッコに到着!どの国でも人との出会いに恵まれていたけど、この日もすごかった!
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モロッコ人の元ヒッピーで実業家のおじいさんと仲良くなり、
一緒に1日を過ごした話。
彼に会えただけでも、マラケシュ、
そしてモロッコに来た甲斐があったと思っているし、
今でもたまに思い出す、良い1日。
1■道ばたで声をかけられる
「君、日本人?私はセイジ・オザワに鏡を贈ったよ」
観光客はよく話かけられる。
よくあるのは「兄弟が日本に住んでる」「俺は日本の有名人と知り合いだ」
というキャッチセールスの常套手段。
しかし小澤征爾で声かけられるのは初めてである。
「え?あの指揮者の?」と思わず振り返ると、
モロッコ人らしからぬ色白なジェントルなおじいさんで英語もお上手。
一本道で逃げられない路地だったため、彼としばし話しながら歩くことに。
どこまでが小澤征爾とのつながりが本当の話なのかわからないけど、
すれ違う人へ「サラマリクン!」と挨拶しているとこを見ると、
この地で長く住む人らしい。
「スーク(バザール)へ案内しようか」と絨毯屋に案内される。
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■北モロッコ出身の元ヒッピーのおじさん。
絨毯屋で私のシルクロード横断の経緯を話をしたり写真を見せていると、「君は面白いね!」とおいちゃんが元ヒッピーだった話と好きなアートの話で盛り上がる。
(このおっさんなかなか面白いな)と仲良くなるも
絨毯屋にいつまでいるんかい!的な視線を向けられたので、
向かいの彼の自宅へ招かれる。
ラマダン中だし、このおっさんなら大丈夫そうだし話の続きをしたい
と家へ行ってみる。(良い子はマネしないように!)
すると大正解!
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イランの皆さんの家もそうなんだけど、線対象を好む模様。
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どん。おっちゃんの部屋、まじでSUPERオサレ。HOTELかい!!!
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お気に入りのシャワールーム
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モロッコでは道ばたで自称ガイドに声をかけられ、
最後にお金を請求されるから気をつけて、
と色んな人に言われていたけど、
このおじさんならお金を請求されてもいいか・・・!
とその後もモスクや美術館etcに案内してもらい「モロッコの美的センスとは」について語ってもらう。
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その後は「僕の店に寄ろう」と彼の店に行く。それがお土産屋である。
(は・・・まさかここでみやげ物を買わせるつもり・・・!?)と
再度、ペドロ氏への猜疑心があふれ出すが、それを打ち消すように
いきなりジェンベを軽快に叩きだすおっちゃん。
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おっちゃんジャンベがめちゃ上手い。さすが元ヒッピー
土産物屋以外にもモロッコ楽器ショップを営んでいるが、
現在はラマダン中のためお休み中。
「腹が減っては音楽は出来ぬからな」とのこと
(腹減ってるのにジャンベ叩いてたけどな)
■さらに夕飯に招かれる
一度別れるも「断食後のブレックファスト一緒に食おうや」と言われ
再度おっちゃんちに行くと、ディナーたくさん作ってくれている!
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ハリラと呼ばれるラマダン後に飲むスープ、絶品!
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フレッシュなモロッカンサラダに
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タジンまでいただき、お腹もいっぱいになり、
ビールも私だけ飲み、(彼はラマダン中だけ禁酒するらしい)
食後の一服を終えてから、
断片的に聞いていたおっちゃんの歴史を1から聞き正すことに。
1、彼の住んでいる地元には元ナチスの軍人だったおじいさんが、
スペイン人と偽って住んでいた。
(戦後ナチス密告システムもあったが、彼は最後まで住んでいた模様)
2、小さい頃からそのおじいさんに可愛がられていたおっちゃんは、
「昔はナチスの軍人だった」ことを知るも、そこから
ドイツ語、スペイン語、英語を彼から教えてもらえることになる。
※スティーブンキング原作の「ゴールデンボーイ」みたいな話!!!
3、青年時代はヒッピーカルチャーど真ん中。
中古車ブームで車を買ったイタリア・スペインの若者を発端に
ヨーロッパ各地からヒッピーがモロッコのハッシシを求めて
海を渡って現れるようになる。
➡当時、町にはアラビア語とフランス語しかできない人がほとんど。
英語・スペイン語ができるペドロ氏が彼らの通訳となることが増え、
気づけばヒッピーのガイドになり、気づけば自分もヒッピー生活を送るようになる
4、ヨーロッパからきたヒッピー達のコミューンで
様々なことを教えてもらう。
特に、ヒッピー生活中にマジックの技を磨くようになる。
5、宣伝カーを買い、ステージ衣装を買い、
モロッコでマジシャンとしてステージに立つまでになる。
6.ヒッピーやマジシャンをやめ、子育ても終わったので、
北モロッコからマラケシュへ移り、観光客相手のお土産・ヒッピーの時に好きになった音楽で楽器店、そして貿易関係のことをしている
これがおっちゃんのライフストーリー
とにかくナチスのおじいさんの話からのくだり、面白すぎた・・・!
世の中には、生きている人間の分だけドラマがあると実感。
私は翌日朝7時からサハラ砂漠ツアーにでるため、帰宅したものの、
またマラケシュにきたら今日出来なかった面白い話を聞かせてくれると
彼はいっていました。
結果、一銭もとられることなく、終わってしまった。
ウイグルから3か月近く旅をしてきて、色んな人の優しさに触れてきて、
「この人なら大丈夫」というアンテナが研ぎ澄まされたんだと思う。
彼もこんな風に1日を過ごすことは稀だと言ってくれていた。
ありがとう、ペドロさん!