JTC部署ごとの典型的パターン

JTC(伝統的日本企業)の部署ごとの典型的な社員の特性を紹介してみたい。

営業部

これは業界・業種にもよる。金融系やIT系は厳しいノルマが課せられることが多い。金融系はよくわからないが、IT系は稼働率(エンジニアがプロジェクトに入って稼働している割合)を高めないと売上高が減少し、人件費だけが高くなるためだ。ノルマを達成できない社員には厳しい制裁があるし、順位が発表される場合もある。一方で、BtoB系のメーカーなどは、高品質な製品やマーケットシェアの高さによってノルマが無い場合もある。稼ぎたいならば金融やIT、緩めが良いならばBtoBメーカーだと思う。

マーケティング部

ある程度クリエイティブな能力が必要になる。また、広告効果の測定など、数字と論理的思考、統計にも強くないといけない。そのため、比較的高学歴でインテリ系の社員が多い。女性も活躍しやすい。なぜならば、化粧品などは女性の気持ちがわからないとマーケティング施策を考えられないからだ。営業と同じく、成果主義の色が強いため、向上心のある人が多い。

生産管理部(工場全般)

ものづくりのプロが集まっている。現場の仕組みや技術には詳しいが、「木を見て森を見ず」なミクロ志向の人が多い印象だ。工場全体を見まわせられるようなマクロ志向の人材は少ない。どうしても、担当範囲の業務に目がいきがちだ。ただし、生産量の急変など、臨機応変な対応は得意だ。また、安全衛生や品質管理には厳しい真面目な人も多い。また、田舎に立地することが多いので、おおらかで人付き合いを大切にする人が多い印象だ。

経理部

数字に細かい、真面目でおとなしい人が多い印象だ。地道に作業するのが得意で論理的思考も得意だが、地味な事務職といった感じだ。完全に裏方と思ってよいだろう。工場と同じで細かいことにこだわる人が多い。どちらかといえば、管理会計や予算の担当のほうが、少し花形な仕事ができるだろう。そちらのほうがマクロ志向の人が多いと思われる。この部署に求められるのは作業の正確性と決算に間に合わせることであり、何かを頑張ったからと評価されることは少ない。ただし、逆をいえば、ノルマのようなものもない。

人事部

規則・秩序を重んじる真面目な人が多い印象だ。だが、規則重視なので柔軟性に欠ける。臨機応変な対応は苦手だ。また、秩序を重んじるため、生え抜き社員や社歴の長い社員、管理職の言い分を聞きがちで、現場の言い分は聞かない傾向にある。長いものにはまかれろという感じだ。JTCで最も変革が必要な部署が人事だと思う。社員一人一人のリスキリングやキャリアプランのために寄り添い、誠実に職務を遂行することが求められる。女性や中途社員、シニアなどダイバーシティも考慮しないといけない。

情報システム部

最先端のIT企業であれば、優秀で技術に詳しい人が多い。しかし、ほとんどのJTCでは、ベンダーに丸投げして自分は技術を何も知らないという人がほとんどだ。ITコンサルのアクセンチュアなどからの転職組はそうではないが、生え抜きは他の間接部門と同じで、事なかれ主義の官僚的な文化である。なぜならば、新技術の導入よりも「安定稼働」「障害を出さないこと」のほうが評価されてしまうからだ。そのため、転職組は組織に適応しづらい。

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