(衆院選)若年層が自公立以外へ投票した傾向!
今まで、若者は自民党へ投票する傾向があり、シニアは立憲民主党だったが、今回の衆院選は違った。若者は自公・立憲以外に投票する傾向が強く、それが国民民主党とれいわ新選組の躍進につながった。また、参政党と日本保守党も善戦した。若者は従来型の自公・立憲・共産党よりも、国民民主党・れいわ新選組や、新興勢力を支持した。
ヨーロッパでは、従来型の政党が苦戦し、新興勢力の極右や極左が台頭したが、日本もそうなのかもしれない。参政党はオーガニック保守とされ、アンチ医学(ホメオパシー)の傾向がある。日本保守党は、現在議席を持つ政党の中では最も保守的(右派)である。日本も、ヨーロッパと近い状況になってきたといえる。
ヨーロッパでは、緊縮財政の政党が嫌われる傾向も強い。今回、緊縮財政にこだわってきた自民党と公明党が敗北した意義は大きい。政府財政の懐をあたたかくするのではなく、庶民生活を改善するほうが優先なのは当たり前のことだろう。
ただし、デフレ不況が目立った平成の30年間とは異なり、昨今はインフレ傾向もある。ある程度コントロールされた財政支出でないと、インフレが余計に悪化するかもしれない。しかし、物価上昇のほうが賃金上昇を超える四半期も多く、国民生活は苦しい。政権が不安定な上に、かなり難しい財政・金融政策が求められる。もはや、今の政府はいつ壊れてもおかしくないほど脆弱だ。野党が内閣不信任案をいつでも可決できる議席数を握るからだ。野党のほうが議席数は多いのだ。とりわけ、維新と国民民主党の言うことを聞かないと即座に政権はつぶれる。第二次安倍政権以降、先進国では比較的安定していた日本の政治は、暗中模索の時期に来てしまったのかもしれない。