
人手不足で設備投資できない!建設従事者が絶望的人手不足!事務職の雇用は激減!
グラフをみてほしい。これは、テレビ東京モーニングサテライト番組内で、厚生労働省の職業安定業務統計を加工して提示されたものだ。一番左、建設従事者の求人倍率は6倍近くになっている。
中国は、不動産の建設が恐ろしい水準になってしまったと書いた。日本の場合は、長らく公共事業が削減されて建設土木人材が減少してきたのと、やはり高学歴化だろう。みんな、土木や建設よりも、エアコンのきいたオフィスで働きたいのだ。大卒(特に文系)が余剰ではないかと考える。
もう一つは、首都圏で急激に増えているタワーマンションだ。日本は中長期で首都圏に人口が一極集中している。そして、特に23区内の人はタワーマンションに住みたがる。なんと、神奈川県相模原市や海老名市のような中規模都市でも、タワーマンションが建設されている。日本も中国のことを笑えないかもしれない。
これで、希少・貴重な土木建設人材がタワーマンション建設に吸い込まれて、インフラ強化や耐震化など、人の生命を守るための工事に支障が出ている。また、AI大国になるには、データセンターが必要だが、その建設も、ニッセイ基礎研究所の矢嶋氏によれば、人手不足で停滞ぎみだという。
また、さらに絶望的なことを書こう。話は少しそれるが、またグラフに戻ってほしい。左から2番目の棒グラフは、介護人材の求人倍率であり、4倍に達している。何も、私は職業差別はしたくない。全ての仕事は尊い。しかし、GDPという観点では、介護職員が何か新しい発明をしたり、デジタル改革をするものではない。そうした点で、日本経済のGDPには悪影響が出るだろう。
そして、グラフの一番右、これは事務職の求人倍率だ。なんと、0.3倍だ。これが、一流大学文系卒業生が苦しむ原因ではないかと思う。もはや、世の中では事務職は需要が減少しているのに、日本の大学の定員は文系が圧倒的に多い。
これは何も、日本だけの話ではない。アメリカでも、人手不足や資材高騰で、住宅不足が加速している。アメリカでは、地価に合わせて家賃を上げるのは容認されやすい(日本は借主優位で家賃を上げにくい)。そのため、住宅不足で地価や住宅コストが上がると、貸主は強気で家賃を上げてくる。そのため、カリフォルニア州ではホームレスが急増している。キャンピングカーに住む人もいる。
もともと、事務職というのは、昭和時代や平成前半、コンピュータが不足していた(または無かった)時代には重要だった仕事だ。ところが、今はSAP ERPなどで、会計伝票は自動で作成される。銀行や証券の支店閉鎖も大きい。ネット銀行やネット証券の登場で、メガバンクやメガ証券はコスト競争に負けて、支店を激減させている。以前、みずほ銀行の函館支店の移転統合先が札幌支店だと書いたが、似たようなことは今後も増える。銀行窓口の仕事もオワコンだろう。
大学が変わらないといけないし、受験生とその親御さんも変わらないといけない。今は少子化と、団塊の世代退職の効果で文系は需要があるが、AIが普及してしまうと、旧帝大や一橋大、早慶までは良いかもしれないが、文系が就職難になるのではないかと思う。
いいなと思ったら応援しよう!
