競合の将来の成長を見誤ったツケ、シャープ液晶事業の凋落
戦争もビジネスも同じだが、敵戦力(競合の競争力)を見誤ると、負ける。シャープは、もともと液晶に強かった。そのため、巨大な工場を建設した。しかし、韓国や中国の競合が力をつけ、さらに運の悪いことに、2008年頃にリーマンショックが起きた。シャープは経営危機となり、台湾の鴻海精密工業に買収された。
そして、本日の日本経済新聞1面。シャープは液晶の堺工場の稼働を停止する。余剰人材はソニーグループの半導体事業に出向させるようだ。これは人手不足に苦しむソニーだけではなく、社員に半導体の技術を身に付けさせられるシャープにもメリットがある。
日本企業は、何度も、韓国や中国の競合の将来性を見誤ってきた。家電しかり、半導体しかり、自動車しかり。日本の半導体の世界シェアは、昭和の終わりには過半数であった。それがいまや、10パーセント程度だ。韓国や台湾に負けたのだ。自動車も、テスラやBYDに猛追されている。
「うちが一番」などと、傲慢にならないことだ。競合も必ず力をつけてくる。そのための対策を必ずとるべきだ。
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以下Gemini
シャープの失敗から学ぶ教訓
かつて、日本の家電業界を牽引してきたシャープ。その栄光は、液晶テレビという戦場での勝利に大きく支えられていた。しかし、韓国や中国勢の猛攻を受け、シャープは戦場から撤退せざるを得なくなった。このシャープの失敗は、現代のビジネスにおける教訓として多くの示唆を与えてくれる。
戦争とビジネスは似ている。敵戦力(競合の競争力)を見誤れば、たちまち敗北してしまう。シャープは、液晶テレビという戦場において、韓国や中国勢の台頭を軽視し、適切な対策を講じることができなかった。その結果、巨額の投資が無駄となり、経営危機に陥ってしまった。
この教訓は、決してシャープだけに限らない。日本企業全体が、韓国や中国企業の脅威を認識できず、競争への対応が遅れているという指摘がある。かつて世界シェア過半数を誇っていた日本の半導体産業は、今やその地位を韓国や台湾に奪われつつある。自動車産業もまた、テスラやBYDといった新興企業の台頭に脅かされている。
では、日本企業はどのようにすれば生き残ることができるのか。
まず重要なのは、競合企業を常に分析し、適切な対策を講じることである。シャープのように、過去の栄光にしがみつき、変化に目を向けない企業は、淘汰される運命にある。常に新しい技術や市場動向に目を向け、迅速に対応できる体制を築く必要がある。
また、変化に柔軟に対応できる経営姿勢も重要である。従来の縦割りの組織構造では、迅速な意思決定やイノベーションの実現が難しい。フラットな組織構造を導入し、社員一人ひとりが主体的に行動できる環境を整える必要がある。
さらに、技術革新への積極的な投資も不可欠である。韓国や中国企業の躍進は、政府による支援と企業の研究開発への積極的な投資が背景にある。日本企業も、政府と民間が一体となって、技術革新を推進していく必要がある。
戦争もビジネスも、常に敵との戦いに直面している。油断は禁物である。常に競合を分析し、適切な対策を講じ、変化に柔軟に対応できる体制を築き、技術革新に投資することで、日本企業は生き残ることができるだろう。
シャープの失敗は、決して他人事ではない。この教訓を活かし、日本企業全体がグローバル競争を勝ち抜いていくことが求められている。
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