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-ヘッドホンの修復-
ここ数日、先日の公演からのひと段落を経て、やっと、ありがとうございました、おつかれさまでした、という日々もひと段落したところで。
在宅で始めているPCワークや実作業の内職の仕事なども少しずつ慣れてきて。
目下、もう予てから不調だったヘッドホンの修復に取り組んでいました。
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知人のSNSによると、都内では数千円で修理してくれる、とのことですが、あいにく都内に行く予定はなかったので、自分で直してみようかな、と。
ちなみにヘッドホンは、SONYのMDR-CD900STという、スタジオ定番のプロ御用達ヘッドホンで、このところ物価の上昇に伴う値上げも著しく、自分の購入した頃の価格では購入できなくなっているようでした。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117767363/picture_pc_21d1a8ee58212fc500fe03239359db0b.png?width=1200)
こちらのヘッドホンです。
まずは、インターネットで少し検索をかけてみました。
症状は、R側の完全不能です。
原因として考えられるのは、まずは断線です。
軽く分解してみて、目視で確認できる範囲には、断線はありませんでした。
そこで、わたしは、オーディオプラグを疑ってみました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117767383/picture_pc_f68222bb53eb2511c35338d15fd939e1.jpg?width=1200)
ここは、思い切って、ばっさり切断して、繋ぎ直してみました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117767394/picture_pc_514668c8cfc26bd0cbec581f7f342d59.jpg?width=1200)
ところが、ここで問題発生。
さっきまで聞こえていたL側も聞こえなくなる、という事態です。
わたしとしては、よくあることです。
よかれと思ったことが悪い結果を招くパターンです。
しかし、そこは焦らず、冷静に繋ぎ直すことで、無事にL側は、すぐに復旧完了。
後になり、わかることですが、この場面での成功体験が、このヘッドホン修復の肝になる経験でした。
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そして、次の打ち手を、インターネット検索から探します。
どうやら、ドライバーユニットというパーツを交換したことで、R側の復旧に成功した、という事例を見つけ、そのパーツを注文してみました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117767428/picture_pc_ed47a58a1127ed2268904c298d846ded.jpg?width=1200)
ここで、また、あまり得意ではないハンダづけの仕事です。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117767465/picture_pc_7f6880026fa5e33174a626f62aff8c3b.jpg?width=1200)
まぁまぁ、そつなくこなしました。
しかし、R側の復旧はならず。
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そこで、目先を変えて、オーディオプラグを交換してみることにしました。
安価な替え用プラグというものがあり、購入してみました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117767474/picture_pc_86ae08047168e005c02591c8551687a5.jpg?width=1200)
まったくのゼロベースからの付け替えで、戸惑いはありつつ、インターネットで標準プラグの基本的な仕組みを理解して、大体の感覚で、付け替えてみました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117767491/picture_pc_827c8fa6be1c4820804d9ec43a5162dd.jpg?width=1200)
しかし、状況は、L側のみの音の通過。
まったく何も改善されず。
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そこで、遂に、当初から最も疑っていたけれど、なるべくなら取り組みたくはなかった、完全分解の作業に入ります。
状況から察するに、おそらく、始めから薄々気づいてはいたけれど、問題の本質は、L側からR側に繋がる配線の、目視ではわからない内部における断線でしょう。
そして、インターネット検索をしていると、図らずも、MDR-CD900STのLR配線に最適、という謳い文句の配線コードを見つけました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117767496/picture_pc_f7fbfb87be4f9244d52d9694b30627d4.jpg?width=1200)
こちらの配線コードです。
そして、ほぼ完璧に分解して、このコードを無理やり、ねじ込みました。
後頭部のヘッドセットなどは、もはや、地道な糸通しの要領で、なるべく断線させないように気をつけながら、時間はかかってもいいから、慎重に通しました。
またイヤーパッド付近も、苦労は絶えない作業でした。
一連の画像は、まったく残しておりません。
正直、修復できるかわからない作業のなか、真剣に取り組んでいたので、その過程を撮影するとか、そういうテンションではありませんでした。
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そして、遂にすべての作業を終えて、いざ、オーディオインターフェイスに繋いでみると。
L側のみの再生。
えーーー。嘘でしょう。
しかし、そこは、冷静な判断力。
速やかに、インターネット検索をして、配線の確認をすると、繋ぎ方を間違えておりました。
赤と黒をあべこべに繋いでました。
一瞬、どちらかわからなくなり、直感で繋いでしまったんですね。
そのときのことを、冷静なわたしは、見逃しませんでした。
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さて、今度こそ、どうか。
R側から、音が。
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音が、出ました。
ただ、まだまだ心許ない音量です。
そこで、オーディオプラグの繋ぎ直しをしてみることに。
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なるほど、概ね、音響感も回復しました。
まだ厳密には、モニターヘッドホンとしては、心許ない気もしますが、それは、これから少しずつ調整していきましょう。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/117767530/picture_pc_562d0524ebc6fc222a9058f7ce269827.jpg?width=1200)
ほんとうに、苦節あり、難ありのヘッドホンの修復作業でした。
実質の出費は、知り合いの話していた都内の修理価格と、ほぼ変わらない、というくらいでしょうか。
始めから、断線の線で行けば、という話もありますが、そこは、やはり元々、原因はわからないところから始まり、原因を絞り切っていくことも含めての仕事でしたので、悔いはありません。
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ということで、これから、DIYを趣味にしていこうかな、と、考えているところから始まりました、トマスの修理工房の物語でした。
それでは、また月の夜にでも。
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