
-言葉を吸うて-
昼下がり、息抜きにダムを観てきた。
ダムというより、山麓の空気を吸いに。
◇
何の息抜きかというと、昨晩から、溜まっていた作品を拝読していた。
まずは、群像から。
第63回群像新人文学賞の優秀作品、湯浅真尋さんの「四月の岸辺」を拝読。
ラストの、ざっくり早送りしました、みたいな展開は、個人的には、あんまりかな、と。
全体の匂いや空気、あと、主人公が孤独の淵に落ちるシーンの前後も好き。
◇
続いて、太宰治賞。
第36回太宰治賞の受賞作品、八木詠美さんの「空芯手帳」を拝読。
群像の作品を読み終えて、既に日付は変わっていた。
こんな時間に、と思いつつも、読み始めたら読了まで一気に読み終えた。
そうした、読了まで一気に駆け抜けさせる文章である、ということも、賞をもぎ取る作品力として、大切なのかな、と。
ダブルミーニング、というか、含有性のある複合的なラストに、背中を押された。
(今、書いている作品の、落としどころなど)
◇
そして、今朝は芥川賞。
第163回芥川龍之介賞の候補作品、太宰治さんの孫にあたる石原燃さんの「赤い砂を蹴る」を拝読。
新人賞作品を読んだあとに読むと、こちらはやはり少し難解なものを感じ得る。
その、作品の本質は、わたしがきちんと理解したとは言い難い。
ざわざわとした、心持ちの残る作品だった。
◇
というわけで、昨晩から、読もうと思って溜めていた3作品を一気に読了。
その息抜きに、ダムへと足を運びました。
◇
新人賞の受賞作品、というのは、自由の好みで選んで読んでいるわけではないので、身体は疲弊します。
ただ、その分、自分のキャパシティ外の作品であることが、ほとんどなので、勉強も兼ねて、新人賞の作品傾向を読み込むことも含めて、最近は律儀に読むようにしています。
◇
さて、それから、「ブルーピリオド」を少し。
こちらは、趣味なので、気楽に。
◇
あと、半日、どう過ごそうか。
音楽を、少し作らないと、というのもありつつ。
執筆の、仕上げも、ありつつ。
身体を休めつつ、参ります。
◇
それでは、また活字の雨の、小降りな夜に。
◇ ◇ ◇