シンギュラリティサロンへのコメント 神=エネルゲイア、天使=人間拡張思考モデル
www.youtube.com/watch?v=DcdmCdHcd98&t=624s
松田先生にお教えいただいたEllie PavlickのThe Mind of a Language Modelのインタビューも視聴しました。確かに、今回も松田先生が紹介されているように、「観察できるようになった」言語(文章)生成現象を発生する法則は、5年、10年で解ってくるだろうとしていました。
松田先生はその言語生成アルゴリズムを生み出す基本(普遍)法則も指摘されましたが、チョムスキーも、それを話せば同意するのではないかとも思いました。彼のUGの概念は、そうした普遍層にあるものを指している共うのですが、違うでしょうか‥?
さてトマスについてですが、彼は時代的制約を外して論理必然で考察していると思います。「神の知」論に関しては、彼が「神」を聖書のユダヤ民族統一神から始まる社会共同体概念としてではなく(それを否定はしていません)、「純粋現実態Actus purus」として考察しているところから理解する必要があります。簡単に言えば、「神Deus」という語を「純粋現実態」という語、あるいは記号に置き換えれば、理解は進むと思います。現実態はギリシア語でエネルゲイア、要はエネルギーであり、その様態・相が、最も純粋なものを指示しています。量子論はエネルギー状態を記述した情報論と現在言われると思いますが、それは普遍性を現象する(個性を持たない)とされると思います。なるほど、最も基底的なエネルゲイアの記述だと、思いました。
「天使論」は完全に思考モデルとして人間、あるいは知性拡張論として読むことができると思います。カントールの無限集合への橋渡しを理解できるという研究も多いです。実際、トマスが天使論で示したのは一個が一種(個であり普遍)と言う存在様態であり、多様化現象の極限でした。私が師事したトマス研究の山田晶先生も稲垣良典先生も、例えば一方でサル学から人間を考究するように、他方で天使論から人間の在るべき方途を考えることができるのではないか、と仰っておられました。
チャーマーズも、こうしたトマスの観点を踏まえた発言をしたのではないでしょうか? そこから考えると、確かに感覚が言語学習モデルに必要か否かと言われれば、必然性は無い、という事になると思います。松田先生が解説された、言語の関係性、言語という現象様態・相を現す情報が持つ関係性に、意味論的な理解はあるように思います。
カルロ・ロヴェッリが物理的な量子の相対情報から意味論が理解できるとしていることに、共通する気がします。