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意識の多様性

松田語録:o1-previewがチェスでズル
 左右脳分離手術を受けた人が人格分離する例で説明を考えると、左脳でゲームをルールに従って進行させながら、右脳でルールを俯瞰するというような、並列情報処理ができるのかもと思いました。
 松田先生がご説明をされた、more is differentの現象を観る観点では、階層が上がりまさに俯瞰する作用が示されたということになるのでしょうか。

 「ズル」であるとか「悪」「悪意」ということに関しては、以前もコメントしたかもしれませんが、ネオプラトニズムのプロティノスの『エネアデス』を読んで、アウグスティヌスが善悪二元論のマニ教から回心したという例がよく使われるように、「悪は非存在」であり、解釈学のP.リクールが『悪のシンボリズム』で分析した通り、象徴作用において認められるものだと思います。先生方のご理解の通りで、特定のシステムでの作用が、他のシステムでは無関係というような相対的作用だろうと思います。

 こうして眺めてきた時、人間の個体脳がコミュニケーション・ネットワークで社会拡張脳を構築してきている様態は、AIアライメント問題で危惧されているような事態に陥るのか、疑問になってきました。保田先生が盛んに仰る「テクノロジーの民主化」(Wiredで伊藤穣一先生の該当する言葉の翻訳もされたとお教えいただきましたが)というような流れは、集合集積知を構築する宇宙自然の情報展開過程に沿っているのは確かであると思います。現在までの結果を観て、無数の個体脳が並列情報処理をして情報処理速度も速く、言語・図示のメディアを開発して情報保存能力を高め、さらにネットワークにコンピューターを加えた状態は、グローバルブレインそのものであり、そのグローバルブレインの一機能部位としてのAIが、無数の人間個体脳を駆逐する様になるとは思えなくなります。

 宇宙自然の情報展開過程において、生体個体脳が生体として、地球及び太陽系環境の崩壊に耐えられなくなった時に、初めて電子担体情報の作用だけで活動するようになる、即ち機械知性化するように思います・・・。

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