単刀直入に言う。
好きだ。
小学四年生の頃から好きだった。
冒頭からなんとも男らしく潔いラブレターを貰ったことがある。
当時中学一年生。
身長が伸び、服のサイズが大人の女性の仲間入りをした頃。
私の知らない間に、私は男子の人気を集めていた。
人生で初めてもらったラブレターは、
A4サイズのコピー用紙に、緊張が滲む文字で書かれていた。
力強く、純粋で、美しいラブレターだった。
私はそのラブレターを下駄箱で見つけた。
驚き、戸惑い、でもどこか冷静に、トイレの個室へ行ってこっそりと読んだ。
ラブレターの中には、私を好きになったきっかけからラブレターを渡すまでの気持ちが書かれていた。
とても嬉しかった。
そして恥ずかしかった。
私の無意識の行動に惹かれる人がいてくれること。
その後もずっとずっと、好きでい続けてくれたこと。
とてもとても嬉しかった。
もうそのラブレターは無い。
でもハッキリと冒頭を思い出せるくらい、私の心には、深く深くその感動が刻まれている。
きっと一生忘れないだろう。
今、彼は音楽をやっているらしい。
どんな音楽だろうか。聴いてみたい。
その音楽はきっと、
力強く、純粋で、美しい。