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2度目の高知、初の夏

 2度目の高知へ行ってきた。初の高知の夏。毎日があまりにも充実しすぎていて、東京に戻って2週間が経とうとしている今でも鮮明に思い出される。自然、食べ物、そして人。どれをとっても最高だった。
 今回はたった1週間の滞在だったけど、それくらいの期間の方がまた訪れるきっかけになるのかもしれない、と心を納得させた。

 目の前に広がる海と山、川、夜には星。これをいつまでも美しいと思える自分でいたいと思った。
 鳥のさえずりやセミの鳴き声、海の音、川の流れる音、これらの音を思い出してはそれを日々の活力にしたいと思った。
 おいしい魚やお酒の味で肥えた舌をまた戻ってくる理由にしたいと思った。
 出会った人たちとの縁を大切にして、自分がしてもらったことを返したいし、また誰かにしてあげたいと思った。

 あわただしい日々に慣れてしまうと、五感を使って味わう機会が減ってしまう。それを取り戻して原点に立ち返った気がした。
 目の前の景色のありがたさ、動物や自然の美しさ、人のあたたかさ、どれ一つ欠けてはいけない大切なもの。でも、身近すぎるとつい素通りしてしまうもの。それを取り返す場所がある私はとてもラッキーだと思う。

 五感に直接訴えかけてくるものこそ自分の毎日を彩っている。そう思っているのに、つい間接的なものに気をとられてしまう。むしろ気をとられすぎて、翻弄されているまである。頼まなくてもたくさんの情報を与えてくれるインターネットに日々一喜一憂しているけれど、それの一体どれくらいが私の五感に訴えかけてくるほどの大切なものであろうか。もう一度吟味したい。

 高知県には今年の春まで、なんの縁もなかったのに、今では自分の大切なものを思い出させてくれるそんな場所になっている。
 東京に戻って何事もなかったかのように毎日が進んでいく。でも心のどこかで思い出せるといいと思う。

 そして私の身の回りの人もそういう大切なものを気付かせてくれる場所があればいいと思う。

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