高知・久礼の魅力

前にある投稿の通り、わたしは2月中旬から2週間、高知県の中土佐町久礼というところで農業体験をしました。

2週間久礼で過ごしてみて、同じ日本でも地域が違うだけで随分違うな〜と感じました。ワーキングホリデーって聞くと、海外のことをイメージすることが多いと思います。実際、私もそうで、海外のイメージだったんですが、この久礼でのワーホリもあながちそのイメージとは異なってなくて、まるで違う国にいるかのように感じる瞬間がありました。

小さな町、というのもあって、久礼に住む人にとって、街行く人々はほとんど知り合いみたいで、お世話になった農家さんは、あちこちで声をかけられたり、車から手を振っていました。私にとってとても新鮮なことでした。
というのも、今まで、車に誰が乗っているかなんて考えたこともなかったです。
わたしの住んでいる東京では、目の前に走ってくる車に知り合いが乗っている確率なんてごくわずかなものだから、なおさら誰が乗ってるかなんて考えません。なのでそれだけでびっくりでした。

そんな違いに驚いたりしながら、2週間過ごしました。そしてたった2週間で久礼のことが大好きになりました。

久礼の魅力って何?って聞かれたらたくさんあります。

まずは「食」。
久礼は鰹の一本釣りで有名で、ここで食べる鰹は絶品。舌が肥えているとは言えないわたしでもはっきりレベルの違いを感じるくらい、おいしいです。鰹のタタキはもう他のところでは食べれないと感じてしまうほど。こんなおいしい鰹を日常的に食べられる久礼の人たちに嫉妬しています。
他にも、鰤もおいしいし、ウツボもおいしいです。ウツボって、わたしの中で、ディズニー映画の「アリエル」の悪役のアースラの子分?たちのイメージが強くて、実際見た目も綺麗とは言い難いので、始め、ウツボがおいしいと言われた時、信じられませんでした。でも、これがまたおいしくて、お肉みたいな感じもするし、ウナギみたいな感じもするし、コリっとしていてクセになります。ウツボのタタキもおいしいけど、唐揚げもたまらなかったです。語彙力が乏しくて上手く伝えられないので悔しい気持ちですが、家族や友達にも食べてみて欲しくなるくらい、おいしかったです。

次に、「自然」。
久礼は海にも山にも近いです。川もあります。海や川は、信じられないくらい澄んでいました。わたしの知っている川、海が別物に感じてしまうくらい美しかったです。そんな自然に囲まれて過ごすと心が穏やかになれました。
海を見て過ごすとあっという間に時が流れていきました。海の音も心地よくて、海の近くで波の音を聞いているだけで、幸せな気持ちになりました。
夜は、星をいくつも見ることができます。星座は本で見るもの、と思って生きてきましたが、久礼では本なんてなくても、上を見れば一面に星が広がっていて、星座って本当にあるんだ、と気づかせてくれました。東京はあかりが多くて、星なんて指折りくらいしか見えません。なので、初めて一面に広がる星を見た時は、本当に感動しました。
自然に囲まれた久礼の町は心を癒してくれました。

最後に、「人」。
1番の久礼の魅力だと感じています。きっと他の地域でも、おいしい魚が食べられるところはあって、ありったけの自然を見ることが出来る場所もあります。
でも、人のあたたかさは久礼だけでしか味わえないと思いました。
お遍路さんが通る道だからなのか、はたまた太平洋に面しているからかは分かりませんが、外から来る人を歓迎してくれる方が多くて、とても驚きました。
来る前は不安もあったわたしですが、久礼の会う方会う方が優しくて、あたたかく迎えてくれて、ほっとしました。
お世話になった農家さんやそこで働く方々はもちろん、わたしに町案内をしてくれた方や、宿泊したゲストハウスのオーナーさん、ご飯屋さんで偶然知り合った方も含め、出会う人みなさんが思いやりに溢れていました。
たくさん声をかけてくれたり、ご飯に誘ってくれたり、美味しいご飯屋さんを教えてくれたり、文旦をおすそわけしてくれたり、久礼の人と関わるきっかけをくれたり、挙げ出すとキリがないくらいたくさん良くしてくれました。感謝してもしきれません。

他の人に優しくする、とか、相手のことを気遣う、というのは言葉にするのは簡単でも、実行するのって本当難しいです。あれこれと理由を考えてしまったり、他の意味を汲まれてしまうかも、思ってしまったり、それ以前にそもそも自分が大切だから、と後回しになってしまうことがあると思うし、実際わたしはなかなか出来ていないかな、と感じます。
でも、わたしが出会った久礼の人は当たり前のようにそれが出来ていて、あたたかい気持ちになれたし、尊敬したいと思いました。

そんな魅力溢れる場所に2週間どっぷり浸かって、帰る時にはすっかり久礼のファンになりました。

うまく魅力を伝えきれていない気がしてとてももどかしいですが、久礼という町の素敵なところを知る人がもっと増えたらいいなという気持ちで書きました。

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