アンビバレンス

ありもしないアンビバレンスをあなたに。
実態は極めて単純なものだ。
ただ言葉にしたくないのだ。
新たな火種は撒きたくないから。

オレは自分を極悪非道と思っていたが
アイツと比べたらオレはまだ まともだ。
まともだ。自分の声はすべて罠だと
予め伝えてあるから。野にある草や花にも、
もし言葉が通じるのなら伝えていたから。
愛にも鮎にも地中海性気候にも、
もしも奴らが聞く耳を 持っていたなら。

ありもしないアンビバレンスをあなたに。
あなたは聞く耳を隠し持っていると
私はまだ 疑っているから。

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詩人
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