おしゃれクリップを見て、門脇麦さんに憧れた話
意思を感じる瞳にくぎづけになった
恥ずかしながら、今まで門脇麦さんのことは知らなかった。
なんとなく家事をしながら流し見ていたテレビで、インタビューされていた門脇麦さんを見て、冒頭『プライベートではデニムを一切はかないので、今回久しぶりに履きました』という勢いのある挨拶に、個性的な女優さんだなぁくらいにしか思っていなかった。
しかし、生い立ちから芸能界入りを決意するまでの話を聞く中で、私は家事をする手を止め、テレビの中の彼女を食い入るように見入ってしまった。
意思を感じるような力強い瞳が印象的で、また彼女の発する言葉に心動かされる何か熱いものを感じた。
「周りを見返したい」のではなく、「恥ずかしくない自分でいたい」「自分でも『がんばれているな』と思いたい」とは、どういう気持ちなのだろうか。
幼少期にプロのバレリーナを目指していたという門岡麦さんは、中学校2年の時に「自分の肉体的にも足が硬かったので、結構体にもガタがきてたりとか…。プロは無理だなっていう限界を感じて」辞めたという。
大きな挫折を体験し、また夢を叶え有名になっていく仲間を横目に見て、彼女がどのような気持ちを抱きながら、「恥ずかしくない自分でいたい」に至ったのかを知りたいと強く思った。
「正直でいれて、自由でいれる」「いつやめてもいいと思っている」「たとえこれが最後になった時に一切の悔いがないくらい頑張る」、繊細で、投げやりなようで、それでいてその一瞬には全力を注ぎたいと熱をこめる。その瞳に宿るそこはかとない”何か”が、見る人の心を動かし、魅了するのだろうと思う。
「あぁ、私もこんな風になりたいなぁ…」と、情けなくもすっぴん部屋着で片手に洗濯物を握りしめながら、私は思ったのだった。
私が、なぜこんなにも惹かれたかというと
なぜこんなにも、門脇麦さんに惹かれたのかというと、私は全く真逆の人生を歩いてきたのだからだろうと思う。
どちらかといえば、親が導いたレールを何の疑問も抱かず歩いてきたタイプで、周りの評価を優先して物事を決めていた。
就職を考える時になって「自分は何かしたいんだろう」と、本気で自分がどうしたいのか分からない、というか考えてこなかったことに愕然として、自分の事が大嫌いになった。周りは自分がしたいことや進みたい道が明確で、それがとてもうらやましかったのを覚えている。
門脇麦さんのように、自分で納得のいく自分になるように努力している人がうらやましいのと、あぁいう事を言える自分になりたいのと、まだなれていないのだろうかという不安が入り交ざって、彼女を通して色々な自分を透かせて見せられたからかもしれない。
書いていたら、一気に門岡麦さん熱がすごいことにことになてきたので、彼女の作品をかたっぱしから見てみようと思う。