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What works for you may not work for others.

この本のp.28にこういうことが書いています.

英語圏では論文で一人称の"I"を積極的に使うことが長らく一般化している

『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』

わかる人はとっくに気づいているコトですが,センテンスをIではじめるべきかどうかはその書き手の状況によって異なります.

ゼロから覚醒 はじめよう英作文』にもP.49で書いたように,まだ英語でセンテンスを書いた経験がほとんどない英語ライティングの入門者・初級者は,なにも考えずにWho Does What(誰が何をする)というセンテンスをまずはガンガン書いてください.自分のことを書くならばIではじめていいに決まっているでしょう.まずは意味順なわけです.

それが,ある程度ポンポン書けるようになったら,使い所で(たとえばトピック・センテンスで),もの・ことを主語にする抽象度の高いセンテンスを使うことを覚えると良いでしょう.この段階にいる人にとっては鈴木健士たけしさんの『ここで差がつく! 英文ライティングの技術---英語は「I」ではじめるな』は格好の参考書になるでしょう.慣れてくると書き言葉としては,人を主語にするセンテンスよりこちらを多用したくなります.

でも,それにも限界があるんで,また,敢えてIを使って論文を書くというところに行くわけです.かなり乱暴に云えば,
❶『ゼロから覚醒 はじめよう英作文』や『〈意味順〉英作文のすすめ』のようなとりあえずセンテンスの基本構造を叩き込む段階
❷『ここで差がつく! 英文ライティングの技術---英語は「I」ではじめるな』にあるような,英語がある程度できることを示すために,人が主語だとゴチャゴチャとピンぼけになるような内容をもの・ことで始まるセンテンスでコンパクトに表現することを覚える
❸『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』にあるような小手先の技術に頼ると論を立てる際に主張がボケてしまうので,はっきりとIを使って自分の意見を書く
ように段階があるので,❶から❷に行く人と,❷から❸に行く人には必要とされるスキルが違うので,短期的には目指すところが真逆になることはあり得ます.




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