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Writing With Logic 4

どうしても自分の本が出ると単に金銭的な理由だけではなくて,売れてほしいな,という気持ちばかりが出てきてしまうし,一方では,本が出たときというのは,その本を書いていたときの問題意識とは写ってしまっている(=すでに別のトピックに取り組んでいる)ということが多く,なかなか自分が書いた本の適切なフォローあるいはそこに書けていない発展的な内容をここにたくさん書けないでいます.

ただ,今回はさらっと書くことにします.これは『15の論理展開パターンで攻略する英文ライティング』やより幅広い学習者でも使えるようにまとめた大学受験生用のライティング(註・実は「英作文」と書いているけれども「ライティング」 の本と読んだ方が相応ふさわしい内容です)参考書『ゼロから覚醒 はじめよう英作文』で紹介してある学習方法よりも視点が1段上の学習方法を紹介します.これをやるとライティング能力はもとより英語そのものに対する感性が高まります.

でも,この方法を扱うべきライティング本をぼくが書いたところで誰も買ってくれないし,読まないでしょう.だから,『15の論理展開パターンで攻略する英文ライティング』内でもさらりとしか書いていません.なぜかというと,云われればそうだな,と思うけれども,面倒くさいし,やる気がしないから,ほとんどの学習者はしません.また,この作業をするのにかなりのスキルを必要とするからです.

さて,前置きはともかくとして,何をするべきか書くことにしましょうか.有料にして100円ぐらいとろうかとも思いましたが,すでにヒントは『15の論理展開パターンで攻略する英文ライティング』は書いてあるので,全部公開することにします.断っておきますが,これは絶対に効果が出る方法ですが,時間がかかりますし,面倒です.また,『15の論理展開パターンで攻略する英文ライティング』にある素材を使ってもできますし,自分のライティングのモデルとなる英語のテキストを見つけられたらそれを使ってもいいです.では,お教えします.『15の論理展開パターンで攻略する英文ライティング』のP.167の1番上をみてください.

いったん書き上げたら,よく読んでreverse outline(逆構成メモ)を作ってみるのも(以下略)

15の論理展開パターンで攻略する英文ライティング』P.167

と書いてありますね.これを自分が書いたものではなくて,自分がモデルとするテキストをその書き手の気持ちになってreverse outlineを作って,さらに,それだけをみながら実際に書いてみる.そして,オリジナルのテキストと何度も見較べる,ということをしてみてください.そのテキストの書き手がするプロセスをあなたがやり直すということをやってみるのです.

まずは,P. 167にOutlineが載っていますね.それだけを見て英語を書いてみてください.そして,P. 168のSample Answerと自分が書いたものをよく見較べてください.

それが終わったら,Chapter 3のSection 1からSection 9を次の順序で取り組んでみてください.
❶Sample Answerを読み,P. 167のOutlineのような感じでOutlineを書き出す.中級以上の人は英語で書くことをお勧めしますが,日本語でも構いません.間違っても訳は書かないでください.<構成上どういう役割をしているのか+キーワード>で書くのがコツです.
❷❶で作ったreverse outlineをたよりに自分の英語で書き始めます.書く際はSample Answerは見てはいけません.個々の語彙や表現を覚えることではなくて,モデルのテキストの構成通りに自分が書いてみるということを経験することが大事です.
❸終わったら,Sample Answerと自分の書いたテキストを見較べます.ひょっとしたらあなたのほうが上手く書けているかもしれないし,逆にやっぱりモデルのテキストはあなたにできない構成どおりに書く上でいろいろな技術を使っているということに気づくかもしれません.

これも全部終わったら,IELTSやTOEFLや英検の問題集でも,自分が好きな英文記事でも,書きたい英語のモデルになるテキストで同じ作業をやってみてください.これを本当にやったら,ぼくのしょぼいライティングの能力など軽く超えてしまいます.でも,多くの人はやりません.ぼく自身が面倒でいつもやっているわけではないのですから,それはわかります.でも,本当にものすごくできる人は似たようなことをやっています.あの人(いちおう誰だか書かないことにします)とか.

この作業のコツは,モデルとなる英語のテキストを探すときに,絶対こんなの書けないという凄すぎるものを使わないことです.「自分も本気で勉強すれば書けそうな気もするけどやっぱり現時点では書けないな,上手いよなあ,工夫しているなあ,ベタだけれどもよい構成でテキストが展開されているなあ」と思うぐらいのものを使うと作業がスムーズにできるし,力もつきます.実は,これを見つけるのにスキルが要ります.英語がまったく苦手な人やライティングをやったことがない人はモデルを見つけることができないのです.だから,この方法を大々的に本の中で勧めることはないのです.

さて,手の内はすべて明かしてしまいました.やってみますか? やれば成果はでます.でも,面倒です.まあ,予測しますが,ほとんどの人はやらないでしょうね.責められません.ぼくもそうなのですから.



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