見出し画像

Which one comes first?

都市部に住んでいるとコンビニがあるからあまりやらないのかもしれませんが,コーヒーはあのエスプレッソマシーンなんかなくてもコーヒーメイカーされあれば,それなりのものを自分で作って飲むことができます.ただ,夏にアイスコーヒーを飲みたい人は,間違ってもホット用のものを冷やして飲もうとしないでください.ぼくは過去に何度も自分がホットで気に入っているものを冷やして飲んでみるということをしましたが,やっぱりまずいことに気づきました.たぶん濃さとかが違うんでしょう.自分でいろいろと調べたり工夫したりできないならば大人しく普通のアイス用のコーヒーを使うほうが無難です.今年の夏はずっと暑いので作ったアイスコーヒーを常に冷蔵庫に用意しています.

さて,アイスコーヒーを飲む暑い夏はまだまだ続きそうですが,8月はそろそろ終わります.もし,『ゼロから覚醒 はじめよう英作文』を夏が始まる前にすでに取り掛かっている人がいるとしたら,そろそろ最後のほうに来ているかもしれません.どうしても買ってもらうことばかり考えているとどういう本なのかわかってもらうための記事ばかり書いてしまいますが,今回は買った上で途中まで来て,半分を超えたあたりの読者を想定して,記事を書くことにします.

この本の中心はStage 4とStage 5なのですが,それを抜けるといよいよ長めのまとまりのあるパラグラフ程度のものを英語で書くところまで行きます.それがStage 6です.Stage 6ではテキストタイプ(英語ではtext typesと複数形にします.ただ,最近ではgenresのほうがより一般的に使われているようです.厳密にいうと両者は違うようですが…)を扱います.typesというからには複数の型があるわかで,古典的にはnarrative, descriptive, expository, persuasiveの4つに分けます. ただし,サインではdescriptive, expositoryの2つをまとめてinformative/information textとよぶことがあったり,expositoryの中での分類にあたるcause and effect(因果関係), problem-solving(問題解決), compare & contrast(比較・対照)などを別の型として扱い8とか10とかにすることもあるようです.まあ,品詞(parts of speech)が古典的には8つですが,もう少し数が増えているのに似ていますね.さすがにaやsomeをadjective(形容詞)には入れられないだろうということになってarticles(冠詞,ぼくはこの語は使いません)とするか,determiner(限定詞,ぼくはこちらを採用します.articleはこの中に含まれるものとします)を採用せざるを得なくなります.あとはcanとかmustをverb(動詞)とは呼びづらいのでこれはauxiliary verb(助動詞, modal verb, helping verbという語もあります.厳密にはそれぞれちょっと違うようですが,ぼくにはよくわかりません)として別モノと扱います.あとはwellとかOkay.みたいなのは単にinterjection(間投詞)ではなくてdiscourse markerと呼ぶべきだろうという話もあって, ということに似ています.ぼくが,日本人英語講師のみなさんが良く云う「品詞と文型の関係」が重要という類の考え方にあまり乗り気に慣れないのはこういうこともあるんですね.分類はあくまで便宜上のもので,学習者をしばる道具ではないんですよね.

さて,とは云え,『ゼロから覚醒 はじめよう英作文』では古典的な4つのテキストタイプを使っています.わざとnarrative, descriptive, expository, persuasiveおよびその訳語的なものは使っていませんが.入試だと最後のpersuasiveが多いのかなと思いますが,これを最初に書こうとすると中身のないものを書いてしまう可能性が高くて,その中身のなさをカヴァーするために変な文構造や語彙に頼るのでこの書き方は最後でいいです.

で,何を最初にやればよいのかというと,ネイティヴ・ノンネイティヴを問わず,おそらくnarrativeを最初に書かせたがる人が多いと思います.ただ,『ゼロから覚醒 はじめよう英作文』を見てもらえばわかるように,ぼくは,書いたnarrativeをゆっくり指導者が添削したり,他の学習者とシェアしてフィードバックをもらったした上で,何度かリラックスした状態で書き直せるような時間的な余裕がないならば,まずdescriptiveの練習をするのがいいと思っています.これがStage 4やStage 5で扱われている形式的にも内容的にもつながりがある英語を書くための小道具の使い方を習得する良い機会になるはずですから.ぜひp.p.129-138にある人や場所の描写の自分の答案を作ってみてください.サンプルを真似しながらでいいですから.

ちょっとだけ本には書かなかったポイントを教えると,この作業を通じてできるようになることはごくごく当たり前に動詞の(単純)現在形が使えるようになることです.is/am/are + -ingよりもむしろフツーの現在形です.バカにすんな,と思われるかもしれませんが,文法事項を知っている・文法問題が解けるということと,意味を伝えるために文法を使いこなすことは全然別です.一見しょぼくてもピタリとある人物の日常行動を的確にaction verb(動作動詞)の単純現在形を使って表現することは中級者でもあまりできず,ぶっちゃけ(to be blunt)入門・初級者ならばできる人を探すほうが難しいのです(『ゼロから覚醒 はじめよう英作文』のStage 2を甘くみてはいけません.ぼくもない頭を絞って,各Stageでマスターすることは次に生きるようにそれなりに工夫はしてあります).もちろん,描写なのだからbe, haveに代表されるstative verb(状態動詞)を使って人やモノの特徴・性質を表わすことも要求されます.文法事項がわかっていても,これはなかなか練習なしにはできません.繰り返しますが,個々のセンテンスは素朴でしょぼくていいんです.また,X She love (-> loves) chocolate.のような一致のミスがあってもそれ自体はあまり本質的な問題ではないです(もちろん,そういうミスは減らそうとすべきですが).自分の描写を読んだ相手が,意図通りに解釈してくれさえすれば.

いいなと思ったら応援しよう!