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【一般教養】淑女の取り扱い方

これまで投資、ボディメイク、芸術等について記事を書いてきたが、何よりも30代男性にとって忘れてはいけない一般教養ともいえる嗜みは「淑女の取り扱い方」である。

もう数年前の話であるが、西野カナ「トリセツ」が話題になったが、淑女の取り扱い方は男性が社会において生きていくために最も重要な教養科目の一つであるが、これを教えてくれる人は誰もいなかった(いわゆる「察して」の文化のまま)。

かといって、私が読者に対して講釈を垂れることができるような立場ではないので、今回はあらゆる作品をもとに女性の取り扱い方の手本を書いていきたいと思う。

ステップ1 淑女を正しく認識する(加持リョウジ)

淑女を適切に取り扱うためには、まず淑女に対する認識というものを改める必要がある。ここで参考になるのが新世紀エヴァンゲリオンの加持リョウジの言葉だ。

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「彼女というのは、遥か彼方の女と書く。女性は向こう岸の存在だよ、我々にとってはね。男と女の間には、海よりも広くて深い川があるってことさ」

まず男性は、女性は全く遠くの存在であることを認識しなければならないということだろう。確かに、本アニメに登場する14歳の少年少女たちは、男女の間に距離があることを認識しておらず(認識し始めている段階?)、それゆえに日々軋轢や葛藤にさいなまれているようにも思えるシーンがたくさんある。

大人の男性が淑女を正しく取り扱うためには、お互いにどれだけ距離が離れており、またその距離を埋めることはどれだけ関係が深くとも埋めることはできず、これを前提として関係をスタートしなければいけないということかもしれない

ステップ2 受け入れる(ルパン三世)

上記の通り、男女の距離の長さを認識できたとして、これに対してどのような対応をとるべきなのであろうか。ここで参考となるのが、ルパン三世のセリフである。

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「裏切りは女のアクセサリーのようなものさ。いちいち気にしてちゃ、女を愛せるわけがないぜ。そうだろ?」

裏切りが女性のアクセサリー…なのかどうかは定かではない(おそらく男性は永久に知ることがない場合がほとんど)だが、この言葉には大きな示唆がある。ステップ1で男性と女性には途方もない距離があることを前提として、女性から裏切られる(=期待通りではない)ことは所与のものとしてとらえなければならず、そしてその裏切りすら包括して受け入れてしまうということだ。そのようにとらえれば、相容れないことすら恋愛のスパイスになるということであろう。

ただ、重箱の隅をつつくようなことをいうのであれば、裏切りが女の「アクセサリー」であるのであれば、むしろ「裏切りこそが女性を引き立たせる」といった表現になるはずである。それを「裏切り≒アクセサリー=いちいち気にするもの」という表現としている点では、ルパンであっても裏切りは「完全に愛せるものではない」という気持ちの表れなのかもしれない。

ステップ3 正しい距離間でアプローチをする(冴羽獠

淑女との距離感、受け入れ態勢も万全になってきたらいよいよアプローチをかけていくことになる。しかし、ターゲットが決まったとして、どのように淑女と接していけばいいのだろうか。ここで、シティハンターの冴羽獠のセリフが参考となる。

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「今度会う時、口説かせてもらうよ」

ターゲットが決まったからといって、すぐにがっつくことは、大人の男性の対応とはいえない。冴羽の職業は始末屋であり、絞ったターゲットをどのようにハンティングすることにかけてはプロ中のプロだ。そんな冴羽が「今回」ではなく「今度会う時」とワンクッション置いている。もちろん、いつでもワンクッションを置けばいいということでもないのであろうが、ターゲットとの距離感を適切に把握し、その距離感にあったアプローチが必要だということが示唆されている。

さらに冴羽のすごいところは、「今回は何も言わず、次回口説こう」ということを心の中で思うのではなく、「今度会う時に口説きます」ということを相手に宣言していることである。このセリフはリスクもそれ相応にあるように思えるが、並々ならぬ大人の余裕が醸し出されている。

ステップ4 信頼関係を構築する(サンジ)

淑女は褒められるのがお好き。そんな認識は男性ならだれでも聞いたことはある教訓だと思われる。しかし、「かわいいね」「美人だね」といった言葉は現代においてはインフレを起こしてしまっており、(熟年夫婦ならばそれなりの威力はあるが、付き合う前)淑女の心を打つにはジャブ程度の威力しかなく、これでは信頼関係を築くことはできない。では、どうすればよいか。ここでワンピースのサンジのセリフが参考になる。

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「なんて…美しい瞳だ…」

超絶な美貌を備えたシャーロット・プリンは、周囲から忌み嫌われる三つ目をコンプレックスとしていた。そんな中、プリンはサンジに失望されることを承知で(あえて期待して)第三の目をサンジに対して見せたときに、サンジから開口一番出たセリフがこれである。

女性からしてみれば、自分の武器と思われる部分についてはあらゆる男性から褒められており(褒められるからこそ武器と認識しているのかもしれないが)、その部分に1回分の褒めが追加されたとしても感動は少ない。満腹状態でご飯を食べさせられるようなものだろう。

他方で、自分がコンプレックスに思っている部分についてそれが賞賛されたとき、女性の中では世界が弱みが強みになり、世界が逆転する。そして言い表しがたい安心感に包まれ、そのようなことから信頼関係というものが築かれていくのではなかろうか

10代は女性のコンプレックスをいじり(好きな子にいたずらをする感覚)、20代は女性の良いところを褒め、30代は女性のコンプレックスすら讃えることができる。男性の成長はそのようなプロセスが理想的なのかもしれない。

ステップ5 自信を持つ(フグタマスオ)

淑女との間で信頼関係を築くことができたならば、最後にこれをどのように継続していくか、ということが重要になる。ここで参考になるのが、良き夫の代表であるフグタマスオのセリフである。

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「なんてったって僕はサザエを選んだ男だからね」

会社の面接官を任されたマスオ。いい人材を採用し、カツオに「見る目があるね」と言われたときの一言である。

巷では、「自分に自信を持っている男性がいい」などという(特に20代の)女性が多いように思える。確かに自分に自信がある人間は、オスとして強く見え魅力的と感じるところもある。しかし、行き過ぎた自信は視野の狭さと謙虚さを低減させるため、個人的にはあまりお勧めしない。

他方で、「自分の女性を見る目」については、過度な自信を持ってるくらいが信頼関係を継続できるのではないだろうか。女性との間で喧嘩が起きてしまったとき、浮気の疑念が生まれたとき、子育ての方向性が違う時、どうしても相手を信じられなくなることもあるだろう。そんなとき「自分の選んだ女性は最高であるはずだ」という自信と、そこからくるエネルギーさえあれば、どんな時だって関係を修復する方向にもっていくことができるのではないだろうか。

繰り返しになるが、重要なのは「自分を信じること(=自信)」であり、「相手(=女性)を信じること」ではない。男性と女性の間には途方もない距離があることはステップ1で加持リョウジが教えてくれている。そもそも女性は男性の想定の範囲内に収まるような存在ではないため、信じようと思った瞬間に裏切られることも覚悟しなければならないし、これを受け入れなければならないことは、すでにステップ2でルパンが教えてくれている。そんな中で、信じることができる対象はいつだって「自分」しかいないのである。

最後に

今回いろいろな作品のキャラクターを調べるうえで見えてきたのは、大人の男性による淑女の取り扱い方とは、「淑女を喜ばせる一辺倒なテクニック」のことをいうのではなく、「淑女と向き合うためのメンタリズム」のことをいうということだ。

そしてそのメンタリズムには、20代の時に追い求めてきた「モテる」という概念とはかけ離れた、より深淵で合理的な何かなような気がしている。

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