"考えない"アイデアのつくり方
こんにちは。てぃろです。
なかなかいいアイデアが思いつかない。
なんてことありませんか?そんなときに使えるアイデアのつくり方をご紹介します。アイディアソンやハッカソンでも使えます。
私はハッカソンで何度も受賞していますが、そこで思うのは、ハッカソンはアイデア勝負と言っても過言ではないということです。自己紹介記事でハッカソンの受賞歴を少しご紹介しています。
そんな私がアイデア出しでいつもやっている発想法を紹介します。
アイデア出しに困っている方にぜひ読んでいただきたいです。
アイデアは、既存のアイデアの組み合わせである
一般的にアイデアは、あるときなんの前触れもなく突然閃くもの、と捉えられがちですが、本当はそうではありません。
では、アイデアはどうやって閃かれているのか?
新しいアイデアは既存のアイデアの組み合わせである、といわれています。
新しいアイデアを閃くためには既存のアイデアを知ったうえで、それらを組み合わせていく必要があるのです。
この前提に立ってアイデアを新しく出すために、私が必要だと考えるのは次の手順です。
1.アイデアの方向性とその目的を定める
2.関連する知識やキーワードを大量インプットする
3.ちょっと考える
4.考えない
順に説明していきます。
1.アイデアの方向性とその目的を定める
アイデアは何が出るかわからないものではあるものの、おおよその方向性やその目的というものは存在します。
つまり、アイデアにもゴール設定が必要なのです。
私がよくやっていたのはハッカソンのアイデア出しです。
ハッカソンの場合には、以下のように考えます。
・アイデアの方向性:ハッカソンのテーマ
・目的:受賞すること(=審査員の心に響くこと)
2.関連する知識やキーワードを大量インプットする
新しいアイデアは既存のアイデアの組み合わせである、と述べました。
つまり、既存のアイデアをたくさん持てれば新しいアイデアは生まれやすいということです。
そのためには、生み出したいアイデアの方向性やその目的にそった知識やキーワードを大量にインプットする必要があります。
自身の目的に合わせて、関連する知識を片っ端からインプットしていきます。そうして自分の中に既存のアイデアとして貯めていきましょう。
インプットするキーワードや知識を増やす手順
手順 1. マンダラートを使って、関連するキーワードを増やす
手順 2. 増やしたキーワードで気になったものを組み合わせて、Google検索する
手順1にある”マンダラート”とは、以下のようにマスを使って関連するキーワードを無理やり出していく手法です。
中心にアイデアの方向性を示すワードを書き、その周囲に関連すると思う単語を書いていきます。あなたが関連すると思えばなんでもOK。必要なのはたくさんのキーワードを出すことなのです。
さらに多くのキーワードがほしい場合には、ここで出した関連するキーワードを中心においたマンダラートでもう一回関連するキーワードを出すとよいです。
マンダラートは目標達成の方法として紹介されていることが多いですが、その本質は関連するキーワードを具体的に導き出すことにあるので、このような使い方もできます。
こうして絞り出したキーワードを使って、Google検索すれば、生み出したいアイデアと関連する情報が見つかりますので、それらをさらっと読みましょう。覚えなくてもいいです。気になるものはメモしても構いません。
やはりここで重要なのは、キーワードと知識を頭に入れておくことなのです。
3.ちょっとアイデアを考える
ここまで入れた知識やキーワードをもとに、アイデアを少し考えてみましょう。ラフな感じでいいので、まずはいくつか数を出します。
そうするとあなたの中でアイデアを考える思考回路が動き始めます。
思考回路を動かすことが狙いですので、アイデアそのものがイケてなくても問題はありません。もちろん、すでにいいアイデアが思いついたらそれを採用してもOKです。
アイデアは以下のようなコンセプトシートにまとめるとよいです。
解決したい課題は、ほとんどの場合、最初に決めたアイデアの方向性と一致するはずです。
なので、迷ったら課題にはアイデアの方向性を書いておきましょう。細かい部分で違ったとしたらそれをそのまま書いてもOKです。
アイデアは何か課題を解決するためのものなので、必ず書くようにしましょう。逆に課題がなければイケてるアイデアにはなりません。
アイデアの詳細は、できるだけ絵を使って書きましょう。イメージで残しておくことと記憶に残りやすくてよいです。難しければ文章で書いてもOKです。
最後に、アイデアの名前も付けておきましょう。あなたがわかりやすければ、なんでもOKです。あとで呼びやすかったり思い出しやすかったりします。
私の経験上、この段階ではいいアイデアは思いつくことは少ないですので、次の手順に進んでください。
4.考えない
なにそれ?と思われたかもしれません。ですが、
私は、
”意識的に考えないことが、アイデアを出すために最も重要なこと”
だと、信じています。
何かを閃いている瞬間って、何をしているときでしょうか?
自分の体験を振り返ったりしてもいいですし、何かのドラマや小説を思い出してもらってもいいので、ちょっと思い浮かべてみてください。
雑談しているとき、朝起きたとき、歩いているとき…。
そうです。アイデアを必死に考えている時ではないのです。
つまり、我々の頭はアイデアを意識的に考えようとしなくても、無意識に考えてくれる素晴らしいものなのです!
ここまでの手順では、このように頭が無意識にアイデアを考えてくれるための準備をしていたにすぎません。
・目的を定めると、アイデアの素材を認識できる
・アイデアの素材をたくさん集めれば、その組み合わせの可能性が広がる
・どんなものを考えたいか例を示せば、頭がその方向で動いてくれる
こういった効果を狙っていたわけです。
そうして、どこかで閃いたものをメモしておきましょう!それこそがあなたが求めていたアイデアかもしれません!
日々の積み重ねがあるから、タイミングよくアイデアを出せる(可能性が上がる)
実は、ここまで紹介した手順はアイデアを考えることに不慣れな人がやるべき具体的な訓練方法です。
本当によいアイデアを出したければ、日々のインプットとアイデアを考える意識を持つことで、いつでもアイデアが閃く可能性のある状態にしておくことが必要なのです。
本記事の話は以下の”思考の整理学”という本では、醗酵の過程に見立てて説明されています。
〝 寝させる〟のである。ここで素材と酵素の化学反応が進行する。
どんなにいい素材といかにすぐれた酵素とが揃っていても、いっしょにし たらすぐアルコールになるということはあり得 ない。頭の中の醸造所で、時間をかける。あまり騒ぎ立ててはいけない。しばらく忘れるのである。〝 見つめるナベは煮えない〟。
外山滋比古. 思考の整理学 (ちくま文庫) (Kindle の位置No.271-274). . Kindle 版.
つまり、素材となる知識を持っただけでは優れたアイデアは出ることはなく、頭の中で醗酵する = 閃くまで待つ必要があるというのです。
ここからも、結局アイデアとは日々の知識の積み重ねとアイデアを考えようとする意識が大切だということがわかります。
じゃあ、アイデアの方向性はどうするのか?といわれそうですが、それは興味の赴くままに考えておく、でいいと思います。
今自分が興味があること、社会課題、自分にとっての課題、なんでもいいです。
自分が持つ知識を使っていかに価値を創造できるか?をふとした時に考える。それだけで、あなたの知識は醗酵してアイデアとしての形を成していくのです。
いまから少しずつでも知識のインプットとアイデアの想像はじめてみませんか?そうすれば、必要に迫られたとき、何かが閃くかもしれませんよ。
上記で引用したこちらの思考の整理学もぜひ読んでみてください。アイデア発想法だけに限らず、思考をどう整理するかについて学ぶことができます。
こちらのマガジンで私の仕事術を紹介してますので、是非見てみて下さい。