見出し画像

中小企業の人材採用が抱える問題点と成功のコツ

中小企業の採用活動の問題点とその解決策をまとめてあります。


「どうしてこんなに採用が難しくなったのか?中小企業だから仕方ないけど…」

このような疑問を持つ中小企業の経営者や人事担当者は多いかもしれません。

はじめまして。
千葉県柏市にある採用支援サードウィンの矢島です。

私は以前、求人広告会社で約20年間働き、3,000社以上、10,000人以上の採用に関わってきました。

その経験を活かし、現在は中小企業向けに採用サポートや採用サイト、動画制作などのサービスを提供しています。


この記事では、中小企業が直面する採用の困難さについて、その「原因」と「解決策」を掘り下げていきます。

少子高齢化や生産年齢人口の減少の影響で、採用が難しくなっているのは多くの企業に共通しています。特に中小企業は、大企業と比べて知名度や資金力、経験が不足しているため、より大きな課題に直面しています。

「私たちのような中小企業では採用が難しい」という声をよく耳にしますが、実際に打開策は存在しないのでしょうか?

この記事で、採用に苦労する中小企業の担当者向けに、主な採用の障壁とそれに対する実践的な対応策をご紹介します。また、中途採用で避けるべき失敗例も一緒に見ていきましょう。

人材採用における中小企業の悩み

中小企業の採用担当者が直面している一般的な問題には、以下のようなものがあります。

求人広告を出しても応募がない

多くの中小企業では、求人広告を出しても応募が得られない、あるいは得られても面接に至らない、または求める人材と異なるという課題を抱えています。

応募がなければ、当然採用にはつながりませんし、希望するタイプの応募者がいなければ採用基準を満たすことができず、採用には至りません。

選考過程での辞退

適切な人材が応募してきても、採用の段階で辞退されるケースも少なくありません。

これは、他社がより魅力的だったために流れてしまうか、比較検討の初期段階で当社が候補から外されてしまうことが原因かもしれません。

採用後の早期退職

採用に成功しても、新入社員がすぐに退職してしまうこともあります。これは、人材獲得のためにかけたコストや労力、時間が無駄になってしまうため、早急に対処すべき問題です。


これらの問題は、中小企業の採用活動においてよく見られるもので、それぞれに適切な対策を考えることが重要です。

中小企業が採用に苦戦する理由

中小企業が採用に困難を抱える主な原因を探ってみましょう。

給与や待遇の差異

資金力の限られた中小企業は、大企業に比べて魅力的な給与や待遇を提供するのが難しいです。優秀な人材は、内定を選ぶ際に給与や条件を重視するため、条件の良い企業を選ぶ傾向にあります。

また、特定の業種では、低い給与、少ない休日、多い残業などが通常で、これらは求職者にとってマイナスポイントとなります。

採用活動への時間不足

多くの中小企業では、人事担当者が他の業務を兼務しているため、採用活動に十分な時間を割くことができません。

その結果、丁寧な選考や候補者のフォローが行えず、優秀な人材を見逃すことになります。

採用予算の制約

中小企業は採用に充てられる予算も限られています。

求人広告の上位プランの利用や、求人検索エンジンでの上位表示に必要な予算を確保するのが難しいため、大企業の求人に比べて目立たないことがあります。

知名度の不足

当然ながら多くの中小企業は、大企業のような高い知名度を持っていません。

そのため、求人サイトに掲載しても目立たず、求職者からの関心を引くのが難しいです。知名度の低い企業に対しては、求職者が不安を感じることもあります。

自社の魅力の伝達不足

中小企業はしばしば、自社の強みや魅力、競合他社との差別化を上手く伝えることができず、求人情報が他と埋もれてしまいます。

単に給与や勤務時間などの基本情報を列挙するだけでは、求職者の注目を集めるのが難しいです。

ターゲットの不明確さ

中小企業の中には、どのような人材を求めているのかが明確でない場合があります。

これにより、適切な候補者の選定が難しくなり、求人メディアの選択や広告文の作成にも影響が出ます。

「知名度がない」問題への取り組み

中小企業が採用で成功するための具体的な対策、特に「知名度がない」問題への取り組みについて解説します。

積極的な情報発信

今の時代、積極的な情報発信が不可欠です。情報が溢れる現代においては、待っていても情報が届きません。求人広告や求人検索エンジンはもちろん、ホームページや採用サイト、SNSを積極的に活用することが重要です。

特に、ホームページや採用サイトを充実させ、SNSを通じた情報発信は効果的です。特に若手から中堅層の人々が多く使うSNSを活用し、会社の理念や仕事内容、スタッフの情報などを発信することで、興味を持ってもらえる可能性があります。

ホームページや採用サイトの適切な運用

求職者は応募前に必ず企業のホームページや採用ページをチェックします。古く、更新されていないホームページはマイナスの印象を与えます。

採用サイトには、社員の写真やインタビュー記事を掲載し、具体的な職場の様子を伝えることが重要です。また、短い動画を使うと、より多くの情報を効果的に伝えられます。

積極的な採用手法の採用

従来型の採用手法だけでは現状を打破できない可能性が高いです。

自社に合った候補者を探し、スカウトするダイレクトリクルーティングや、中小企業向けの合同説明会への積極的な参加など、露出を増やす手法が効果的です。採用においても積極的な行動が重要です。


これらの対策を実施することで、知名度の不足を補い、より多くの優秀な人材にアプローチすることが可能になります。

「給与や待遇が劣る」問題への取り組み


「給与や待遇が劣る」という問題に対する対策方法について解説します。

給与以外の魅力をアピールする

即座に給与や待遇を改善するのが難しい場合、中小企業は他の魅力を見つけてアピールする必要があります。

自社の特色を見直し、採用プロセス全体で、求職者との積極的なコミュニケーションを取ることが重要です。応募者一人ひとりを大切に扱うことで、悪い評判を避け、良い口コミを生むことができます。

仕事内容や成長機会の強調

多くの求職者は、仕事内容の魅力や自己成長の機会を重視します。

職場での成長機会や面白い仕事内容、働きやすさや良好な職場環境などを強調することで、給与面で劣る場合でも自社を選んでもらえる可能性が高まります。

募集条件の再検討

時には、採用担当者が給与アップや待遇改善を躊躇しているだけで、実際には改善の余地があることもあります。

優秀な人材を採用するためには、給与の見直しや休日数の増加を検討する価値があります。

勤務形態の柔軟性の提供

給与アップが難しい場合でも、テレワークの導入、フレックスタイム制、時短勤務など、柔軟な働き方を提案することで、求職者にアピールすることが可能です。

これにより、仕事と私生活のバランスを重視する人材を惹きつけることができます。


これらの対策を通じて、給与面での不利をカバーし、中小企業が魅力的な採用先となるよう努めることが重要です。

「採用活動に時間をかけられない」問題への取り組み

人材が限られている中小企業で、採用活動に十分な時間を割けない場合の対策をご紹介します。

採用業務の優先順位を設定

採用活動に限られた時間しか割けない場合、業務の優先順位を明確にし、重要なタスクから手をつけることが重要です。

たとえば、短期的な採用ニーズに対応しつつ、長期的な採用戦略を支える活動を優先的に行います。また、面接フローや試験のプロセスを見直し、オンラインツールやAI技術を活用することで、効率的に業務を進めることができます。

転職エージェントの活用

転職エージェントの利用は、採用活動の効率化に大きく貢献します。求める人材像をエージェントに伝えておくことで、適切な候補者を紹介してもらえます。

これにより、求人広告の掲載や面接日程の調整、初期のフォローアップなどの負担を軽減できます。また、初めは派遣、双方の合意があれば正社員登用ができる「紹介予定派遣」のようなサービスも効果的です。

現場スタッフの協力を得る

特に小規模な中小企業では、採用担当者が限られていることが多く、全てを一人でこなすのは現実的ではありません。募集部署の現場スタッフに採用活動への協力を依頼すると良いでしょう。

求人情報の作成や面接プロセスに現場スタッフを参加させることで、直接的な仕事内容の説明や職場の雰囲気を伝えることができ、効果的な採用につながります。


これらの対策を実施することで、限られた人材と時間の中でも、効率的かつ効果的な採用活動を行うことが可能になります。

「予算が少ない」問題への取り組み

採用予算が限られている場合の対策についてご紹介します。

コスパの高い採用手法の選択

予算が限られている場合、コスト効率の高い採用手法を選ぶことが重要です。ダイレクトリクルーティングは、転職エージェントに比べて成果報酬が低いことが多く、コストを抑えやすい手法です。

また、リファラル採用では、社員の紹介に基づき採用することで、外部サービスへの支払いを抑えることができます。

ハローワークや無料掲載媒体の活用

ハローワークや無料で掲載可能な媒体を活用することも、採用コストを抑える効果的な方法です。

内容を工夫することで、これらの媒体でも十分な応募を得ることが可能です。

SNSの活用

SNSや動画配信サービスの活用は、コストをかけずに広範な情報発信ができる手法です。

特に若年層から中年層に対して効果的であり、継続的に活動することでフォロワーや登録者が増え、より多くの人に情報が届くようになります。


これらの対策を通じて、限られた予算の中でも効果的に採用活動を行うことが可能です。

特にSNSの活用や無料媒体の利用は、低コストでありながら広範囲に情報を発信できるため、積極的に取り入れることをおすすめします。

「差別化できていない」問題への取り組み

自社の魅力や他社との差別化を伝えることができていない場合の対策をご紹介します。

自社の魅力を深く理解する

採用担当者自身が自社の魅力を十分に理解していなければ、それを求職者に伝えることはできません。

採用担当者は、自社が持つユニークな特徴や強みを明確にし、それを求職者に魅力的に伝える必要があります。外部の視点を取り入れたり、競合他社との比較を行ったりすることも有効です。

現場スタッフの参加を促す

面接プロセスに現場スタッフを参加させることで、実際の業務内容や職場の雰囲気をリアルに伝えることができます。

これにより、求職者は具体的なイメージを持ちやすくなり、安心感を得ることができます。

経営者の積極的な関与

特に中小企業では、経営者自らが採用活動に関わることが重要です。経営者が直接自社のビジョンや文化を伝えることで、説得力が増し、経営者の視点で人材を見極めることも可能になります。

また、経営者が関与することで迅速な意思決定が可能になり、採用プロセスのスピードアップにも寄与します。


これらの対策を通じて、自社の魅力を効果的に伝え、求職者に自社を選んでもらうためのアプローチを強化することが重要です。

特に中小企業では、経営者の直接的な関与が大きなアドバンテージになります。

「ターゲットが不明確」問題への取り組み

ターゲット、つまり求める人材像が明確でない場合の対策についてご紹介します。

現場や業者からのフィードバックに基づくペルソナ設定

採用担当者だけでなく、現場のスタッフや外部の専門家(例えば求人広告の営業や転職エージェント)の意見を取り入れて、求める人材像(ペルソナ)を定めることが重要です。

業種や地域、条件などを考慮しながら、現実的で適切なターゲットを設定しましょう。

ペルソナの共有と統一理解

作成したペルソナは採用チーム全体、さらには採用に関わる外部の業者(求人広告会社、人材紹介会社、人材派遣会社など)と共有することが大切です。

これにより、採用担当者間での評価のブレを防ぎ、一貫性のある選考プロセスを実現できます。また、共有されたペルソナは、求人情報の作成や人材の紹介を効率的かつ的確に行うための基盤となります。


これらの対策を実施することで、ターゲットが不明確な状態から脱却し、より効果的な採用活動を展開することが可能になります。

ペルソナの設定と共有は、採用プロセス全体の効率化と成功率の向上に直結します。

中小企業が避けるべきNG行動

中小企業が中途採用において避けるべきNG行為について解説します。

実情と異なる情報を提供する

求職者に対して実際と異なる情報を伝えることは絶対に避けるべきです。例えば、求人情報に記載された給与や勤務条件が実際と異なる場合、これは候補者の信頼を損ね、企業の評判を下げることに繋がります。

採用はゴールではなく、入社後にも期待に応えられる環境を提供することが重要です。また、不誠実な情報提供はSNSなどで悪評として広がるリスクがあります。

「上から目線」の態度をとる

応募者に対して上から目線で接することは、候補者の印象を大きく損ねる行為です。現代では特に、このような態度は若年層に受け入れられにくいため、採用のチャンスを逃す原因になります。

説教じみた物言い、昔はこうだったというマウント、自分語りをするなどはもっての外です。

合否の連絡を遅らせる

求職者に対する合否の連絡は、遅延することなく迅速に行うべきです。

遅れがちな連絡は、候補者が他の選択肢を探すきっかけになり得ます。また、遅い対応は企業としての印象を悪化させることにも繋がります。

内定の返事を急かす

内定を出した候補者に対して、内定受諾の返事を急かすのはNGです。

転職は重要な決断であり、十分な検討時間を提供することが重要です。また、内定後も適切なフォローを行い、入社までの不安を軽減することが大切です。

入社後のサポートをしない

新入社員に対して、研修やフォローを怠ることは避けるべきです。新しい環境での不安やストレスを軽減し、早期離職を防ぐためにも、継続的なサポートとコミュニケーションが必要です。

これらのNG行為は、採用成功の妨げとなるだけでなく、企業の評判にも影響を与えるため、十分に注意する必要があります。


中小企業が採用に苦戦している原因を見直し、改善策を講じることは非常に重要です。以下に、その要点をまとめます。

採用成功の鍵は「誠実さと思いやり」

採用活動でのNG行為を避けるためには、求職者や内定者に対する思いやりと誠実な姿勢が必要です。不誠実な対応は採用に苦戦する大きな原因となり得ます。

採用プロセスを通じて誠実に対応することで、企業は信頼を獲得し、応募者に安心して働ける環境と判断してもらいやすくなります。

中小企業の採用難の克服のまとめ

確かに、中小企業は知名度や資金力、人材リソースの点で大企業に劣ることがあります。しかし、採用難の克服には方法が存在します。

自社の現状を正確に分析し、その原因に基づいた対策と採用活動の改善を行うことが重要です。

応募数・採用率を上げるために取り組むべき3ステップ

こちらの記事で書いた内容を参考いただくことに加え、応募につなげるまでの導線作りも非常に大切です。

求人広告をみて御社を知り、興味を持って初めて御社を検索する、ホームページや採用サイト、SNSを検索して興味を持って初めて面接候補になります。

また興味を持てば、面接前に聞きたいことも出てきます。その質問や相談に対応できる仕組みを持っているか、非常に大切になります。

この「導線作り」についてはこちらのPDFレポートにまとめましたので、ぜひご参考下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?