シェア率
さて、前回に続き「閑散期を乗り切る」について掘り下げていきたいとおもいます。今回のテーマは「シェア率」についてです。
閑散期は、季節要因の関係から、自ずと市場は疲弊し規模はは縮小するものです。アミューズメント業界ではいえば、例年10月・11月は遊技人数の市場規模は縮小し、苦戦を強いられ月であります。このような環境下では、「シェア率」に意識をおくということは非常に重要な視点であります。
例えば、足元商圏の遊技人口が繁忙期500人で、A店(自店)のシェア率30%であった場合、A店が占有する「遊技人数は150人」となります。ただ、閑散期になると、この商圏の遊技人口は400人となりA店(自店)のシェア率は30%を維持することができたが、占有する「遊技人数は120人」となり「▲30人減少」するというような事象でありました。
これをどう評価するかが閑散期ではポイントとなります。
以上のことを整理すると・・・
繁忙期:遊技人口500人「A店(自店)150人【シェア率30%】」
閑散期:遊技人口400人「A店(自店)120人【シェア率30%】」
差分▲30人
マイナス30人も遊技人数が減れば、当然店舗管理者であれば焦りを覚えることでしょう。しかしながら、閑散期において重要となるのは「シェア率」であります。つまり、閑散期は競合店との相対評価から冷静な判断が必要であるということです。減少した人数ばかりに目や意識がいきがちだが、あくまでもこれらの要因は閑散期によりる市場縮小が原因であり、自店だけが減少している訳ではないことを理解しておく必要があります。とりわけ、自店シェア率が閑散期にシェア率20%に下がるようであれば、何らかの策を考える必要性がありますが、そうでなければシェア論の観点でいえば「正常に営業できている」という評価が、ここでの正確な解釈となります。
したがって、▲30人という数値に惑わされ、無駄な出玉投資や機械投資を行う必要はなく繁忙期の市場規模が増加するタイミングに、どこにどう投資を集中させるべきかなどを考え、閑散期は近況を冷静に見守ることが重要であるといえるのではないでしょうか。
このようなことを意識しながら、厳しいとされる閑散期を乗り切り、年末年始の策を考えていきましょう。