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なぜ、帽子をつくる仕事?②

前回の続きです。

芸大でバイトと課題提出に明け暮れていた頃、ふと思ったのです。

あれ?設計がしたかったんだっけ?

この頃、スペースデザインというクラスに所属していた私。
主に建築や空間デザイン、住宅、店舗の設計。
そんな勉強で毎日毎日製図の日々・・・・。
私、製図したかったんだっけ?あれ?みたいな感じでした。
建築法などの授業を受けたり、ひたすら図面を書く毎日にふと疑問が
よぎったのでした。(スペースデザインなんだから当たり前。)
実際建築も建てるまでできたとしたら楽しかったはず。
でも学生の授業でそこまでできないのがすごく残念で
作った実感が湧かなかったのが苦痛に思えた原因かもしれない。

もっと規模の小さいものがしたい。
実物まで自分の手で作れるものがしたい。

そう思うようになり、そこからインテリアやプロダクトに興味が湧き、
色んな場所に見に行きました。美術館、店舗、建築、照明、庭、
テーマパーク、国内も海外も、とにかく無いお金を振り絞って見に行った。
ミラノサローネに大学を休んで行って、留年しそうになったハラハラは
今でも忘れられない・・・。危なかった・・・。

色んなものを見た時に、自分の好みが分かってくる。

平面的なものはあまり興味がない。
立体物がいい。
宗教画はあまり好きじゃない。
現代アートが好き。

この頃の貧乏学生時代に帽子の凄さを知った。

服を買うお金がない。。。。
父や母の昔の服をなんとかアレンジして着ていく毎日。
芸大生なんてみんなオシャレに敏感で、一番オシャレしたい時期に
私は着る服で必死でした。切ない。

この時、同じ服でも帽子を変えるだけで違う人になれる!
という発見があり、それから安い帽子を買ってはコーディネートを
組む日々。本当に帽子ひとつで印象が変わる。

4回生の頃、それはそれは就職氷河期
迷いに迷って就職活動もほとんどせず、
結局タイミング良く大学の研究室のバイトを先生に紹介してもらい、
バイトしながらゆっくり考えよ。となんとか両親を説得して大学に残らせてもらいました。

続きは次回!



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