オンライン哲学対話のはじめかた〜ツールからタイムテーブル、進行まで〜
哲学対話ユニットTOIを主宰するタガイと申します。普段は吉祥寺にあるバツ4ビルで哲学対話プログラム『Think Out!』を開催しているのですが、昨今の新型コロナウイルスの影響を受けて、予定していたイベントの延期を決定、オンラインでの哲学対話を初めて開催しました。
初めてのオンライン開催で得た気づきを、
①イベント延期決定→②オンライン開催→③感想
の3回に渡ってお伝えします。
第2回の今回はオンライン開催編。実際に初めての哲学対話をオンラインで開催する際に、どんな手順を辿ったか、ご紹介します。
(前回のイベント延期決定編をご覧になってない方はこちらからどうぞ↓)
対話形式のオンラインイベント開催を検討している方に、「どのようにオンラインで対話の場をつくるのか」を考えるヒントになれば幸いです。
Zoomの40分制限に合わせたタイムテーブルを開発
開催を決定してまずはじめに検討したのは「どのツールを使うか」。
選定条件は下記の3つ。
1)簡単な操作性(参加者のアカウント作成不要・スマホからも参加可能)
2)参加者の匿名性(自由な対話のため社会的肩書き含めて匿名にします)
3)無料
条件からツールを3つに絞って無料版を検証しました。結果は下記の通り。
A:Zoom:時間制限40分が難点だが、操作性・接続生ともに良好。→採用
B:Whereby:時間制限は無いが人数制限4名。→不採用
C:Skype:接続時に一部参加者に音声トラブルあり。→不採用
※ちなみに後日リリースされたこちらの比較記事がとてもわかりやすかったです。これ見ると、Ciscoもよさそうなので今度試してみます。
そして、Zoomの40分制限に合わせて休憩時間を設けるようにタイムテーブルも変更しました。40分を3スロット使う形で下記のように設計しました。
▶10:00|1stセッション開始
Think Out! の説明|5分
チェックイン|10分
問い出し|15分
10:30-10:40|休憩・ビデオ会議切り替え
▶10:40|2ndセッション開始
対話のルール説明|5分
Think Out!(前半)|30分
11:20-11:30|休憩・ビデオ会議切り替え
▶11:30|3rdセッション開始
Think Out!(後半)|25分
チェックアウト|10分
アンケート・次回予告など|5分
12:10|終了予定
本番は5名が参加。トラブルなくスタート。
事前の申し込みは通常時と同様にこくちーずで実施。
参加者の方には開催当日の朝に参加方法を下記のようにご案内しました。
オンライン入室開始の時間になると、続々と参加者が入室。参加者5名と運営2名の合計7名が入室。特に接続のトラブルもなく、タイムテーブルの共有からスタートしました。
対話の進行は画面共有のスライドを使用
タイムテーブルを共有したら、まずはチェックイン。参加者それぞれに①呼んでほしい名前、②今の気持ちを共有してもらいます。
次に問い出し。私たちが実施するThink Out!では、毎回テーマに合わせた問いを参加者に出してもらい、そちらを共有するところから対話を始めます。2つ目のzoomのURLを共有した後、一度休憩を挟みながら今回のテーマ『愛』についての問いをそれぞれ考えてもらいました。
2つ目のURLに切り替え、まずは『対話のルール』を共有します。
その後、参加者の方から考えた問いをそれぞれ共有してもらいます。出てきた問いは、画面共有したGoogle Slideに書き出していきます。
この後は、出た問いをもとにそれぞれの意見を出し合い対話をしていきます。30分間の対話を休憩を挟みながら2回繰り返しました。
チェックアウト&アンケート配布
対話が終了したらチェックアウト。チェックイン同様に今の気持ちを参加者それぞれに共有してもらいました。
そして最後に事前に用意していたアンケートのリンクをzoomのチャットで配布。アンケートは、Google formを使用しました。
次回の第3回は、実際にどんな対話になったのか、運営者と参加者両方の目線で感想をお届けします。↓