世界から愛が消えたらどうなるか?──Think Out!009レポート
普段会わないような人と、普段考えないような問いについて対話をしながら考える「頭のワークアウト Think Out!」。2020年4月25日(土)に行われた第9回(テーマ:愛)のレポートを、参加者のライさんが執筆くださいました!「心の声」まで聞こえてくる臨場感たっぷりのレポートをどうぞ、お楽しみください。(事務局マツイシ)
こんにちは~! 今回は参加者イトウライの視点からThink Out!を報告させていただきます。
■ オンライン開催
コロナウイルス上陸前はリアルなスペースへ集まって行われていたThink Out!ですが、前回からオンライン開催になりました。私は一度リアル開催にお邪魔したことがあり、オンライン開催は初めての参加です。
当初は自分の環境で参加できるのかもよく分からなかったのですが、大丈夫でした。スマホ1台に無料のアプリをインストールするだけで参加できちゃいます! その他にもタブレットPCで参加している方や、普通のPCにカメラを付けて参加されている方もいらっしゃいました。
■ 愛を問う
Think Out!では参加者がテーマに沿った哲学的な問いを持ち寄り、それらの問いを起点に対話が始まります。当日考える時間もありますが、多くの方が開催前にじっくり問いを考えてくるようです。
私が提出したのは「世界から愛が消えたらどうなるか?」です。その不在を想定することで愛とは何かを浮かび上がらせようとの狙いでした。
■ 驚くほど、意見が違う! Think Out!前半
さあ、対話が始まりましたが、びっくりしました。人それぞれ考えが異なるものだとは思っていましたが、ここまで違うとは……。まず議論をするために、どこからどこまでが愛なのかという話になりました。
私は自分以外の他者を大切に思う気持ちが愛だと主張しました。ところが別の参加者の方は自己愛という言葉があるように対象が自己であってもよく、何か特定のものへの執着が愛だと主張されました。「むむむ!(心の声)」。しかも、ストーカー行為ですら愛だというのです。「マジかよ!(心の声)」。
私は、愛は人を感動させるものじゃないのか、良いものに限るべきじゃないかと主張しましたが、必ずしもそうでなくてよいという意見も多く、議論の前提となる愛とは大体どのようなものを指すのかということが定まらないのでした。
それゆえ、この対話はそれぞれの前提を説明したうえで、そこから言えること、それぞれの考え方を説明し合い、なるほど、そういう考え方もあるな~という流れになり、深く真実を追求するよりは広く他者の考え方を知るものとなりました。
■納得の学び。Think Out!後半
必ずではありませんが、グループ分けを2度行って2回のセッションが行われることが多いようです。後半のセッションで印象に残ったのは、自分を愛していなければ他者も愛せないという意見でした。
そう考えると自分への愛というのも悪いものでもないし、そんな風に愛という言葉を捉えてみるのもありなのかなと感じました。
■言葉の定義
最後に皆の感想などが語られました。そこで、言葉の範囲や定義を最初から絞ってみたら深い議論になり、今回は今回で良いが、それとはまた違う良い議論になるのではないかという案がありました。
ここで議論する機会はなかったのですが、私的には難しい問題を孕んでいるように思えました。例えば、言葉を定義する言葉もまた人それぞれなのであれば、完璧な定義ができないこと。普段自分が使っているのとは異なる言葉の定義を用いて自分の考えを豊かに表現することの難しさなど。
愛に次いで、言葉についても考えさせられました。
■感想
2回目の参加となりましたが、前回より緊張せず、楽しめました。また、愛についての考えが拡がったと共に、今後の私の行動は少し変わるだろうと思いました。「愛している」の一言では伝わらないことをもっと丁寧に相手に説明したいと思いました。
レポートを書くと毎回何かしら特典があるようで、今回はTOIの本棚から本が1冊貰えます。ちょうど欲しい本があったので、届くのが楽しみです!
■最後に
TOI事務局の皆さま、参加者の皆さま、素敵な時間を過ごさせていただき、どうもありがとうございました。
なお、レポート中に紹介させて頂いた自分の意見に対する対立意見について、私が否定するものではなく、最大限の敬意を抱いていることを付け加えさせていただきたいと思います。
ライさんのレポート、いかがでしたでしょうか。ご興味持たれた方はぜひ、次回、5月24日(日)のThink Out!(テーマ:共感)にお越しください。事務所一同、お待ちしております。詳細・お申し込みはこちらから。