認知症介護日記61 「祖母と過ごす最後の日曜日は、人生で最も〇〇を言われた日だった。」

9月24日日曜日、僕は7時45分に起床した。
理由は道普請に参加するためである。

道普請を知らない人向けに説明すると、道普請は地域の道などを地域住民が一丸となって草を刈ったり、刈った草をゴミ袋に詰めたりして地域の道を綺麗にする田舎独自の行事だ。

僕の記憶では、僕が最後に道普請に参加したのは2年以上前。
なぜこれだけ期間が空いたのかというと、福岡市に住んでいた頃は道普請がなかったし、山口に帰ってきてからは介護のため参加する余裕すらなかったからである。

今回の道普請は従来の清掃行事に加えて、もう一つ大きな目的も兼ね備えていた。
それは地域の方に祖母が入居することを報告する、というものである。

認知症になり、これまで何十回も徘徊をした祖母がこれまで大きな事故や事件に巻き込まれなかったのは、ご近所さんが保護して車で我が家に連れ戻してくれたり、家に戻るよう口頭で促したりしてくれたからである。

僕が8時に公園で作業を開始した後すぐ、出勤前の父と祖母が車で合流した。
そして3人揃ったところで、まずは自治会長を皮切りに迷惑をかけた、かけてない関係なく道普請に参加していたすべての住民に、これまで幾度も迷惑をかけたことに対する謝罪と感謝の意を伝えて回った。

本来祖母は年齢が高齢のため参加義務はないのだが、本人の意思で途中まで僕たちと清掃活動をした。そして途中で祖母を我が家に帰らした後、想像外の出来事があった。それは10人以上のご近所さんが僕に対し「お疲れさまやったね。」「よく頑張ったね。」と声をかけてくれたのだ。

祖母の介護をするようになり「お疲れ様」「頑張っているね」という言葉を伝えられることはたくさんあったが、短い時間でこれほど多くの人に言われるとは思わなかった。

今回の道普請を機に、ご近所さんとの距離がとても縮まったと感じる。




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