認知症介護のスキマ時間 「不運の象徴」
8月21日の午前、僕はMさんと母と一緒に附属病院に行った。
現在、僕の左耳たぶには大きなこぶがある。
2021年にフィリピンに行った際に初めてピアスを開けたのはいいものの、いつからか定かではないがピアス穴の部分に出来物ができ、祖母の介護が始まった昨年春にその出来物がこぶになった。その後少しずつ少しずつ肥大化していき、さらに気になるようになった。
僕にとってそのこぶは不運の象徴である。
先ほど言った通り、こぶが気になり始めたのがちょうど祖母の介護をし始めたタイミングだったし、祖母の認知症が進行し、介護に対するストレスが溜まるにつれ肥大化して行った気がする。おそらく因果関係は存在しないとは思うが。
こぶの存在を親友や大学時代の友達、そして両親にまで心配され、僕としても一刻も早く取り除きたいと思っていたが、昨年は介護初年である。言い訳になってしまうが、祖母の介護で手一杯すぎて、不運の象徴であるこぶを気にする余裕がなかった。
ネット調べると手術で取り除くしかないことを知ったが、手術は日帰りなのかそれとも入院が必要なのかわからなかった。昨年の祖母はデイ利用を拒絶、デイはOKでもショートを拒絶、そんな状況で「手術を受けたい」と言えるはずがない。
先月僕に転機が訪れた。僕がMさんの家に頻繁に訪れるようになり、これまでこぶのことに関して何も言わなかったMさんがこぶの話を切り出してくれた。数週間前にMさんと以前一緒に働いた先生が隣町で耳鼻咽喉科をしているということで、その病院に一緒に行き診てもらうことになった。
耳鼻咽喉科での診察を受け、手術ができる地元で1番大きな病院宛に紹介状を書いてもらった。診察後にMさんから聞いたが、紹介状を書いてもらわずに初めから大きな病院を受診すると高額な初診料を請求されるらしい。なので手術が必要だとわかっていても、最初から大きな病院に行くのではなく、間に起業医を挟む方がいいとアドバイスをもらった。
そして昨日、僕、Mさん、さらにずっと心配してくれていた母も時間休をとり、3人で病院に行った。診察の結果、僕は手術を受ける日を決めることができた。
担当医から話を聞いて始めてわかったが、僕の体はケロイド体質らしい。
幸いなことに手術は部分麻酔を用いて行うため、日帰り手術になるとのこと。
もし手術のため入院となれば、祖母を何日間ショートに預ける必要があるのか心配だったが、日帰りなら手術日当日のみショートに預けるだけで済む。