斜に沈む。
夏休み中にnoteを書こうと思っていたのに、いつの間にか後期が始まってしまった。書きたいことはあるのに遅筆な自分が憎い。
私は芸人のオードリーが好きである。
きっかけは正直覚えていないが、自粛期間でラジオに手を出した事が大きいか。今年からラジオ(ANN)も毎週聴くようになったし、あちこちオードリーもわりかし見ている。
そこで今年の夏買った本が、「ナナメの夕暮れ」という若林(敬称略)が書いたエッセイ本である。元々雑誌の連載だった一部に加筆修正を加えたもので、3ページから4ページで一つのテーマという感じでぐんぐん読み進める事ができた。
連載エッセイっぽい日々の気づきや思い出を文章にしたものや、この本全体の大きなテーマである「おじさんの自分探し」の軌跡が描かれている。そこにはテレビに出演する芸人としてまたは40歳手前(執筆当時)の人間としての苦悩があった。
中には自分と似ていると感じたものもあった。どこがどう似ているか、それは何とも言葉にできない感覚的なものであるのだが、シンパシーを感じた。文章に溢れる思考の片鱗や感情の揺れ動きが私の心を動かしたのだろう。
私は今二十歳で、若林は40歳。年齢が倍も違う。それなのに、同じようなことを考えている。「めんどくさい人」「考え過ぎ」「繊細」と言われた先輩から、幼い時からの考えがおじさんになっても変わらないことを学んだ。
それは良くも悪くも人生に一貫性があると言える。自分を芯から変えようなんてことは到底できず、外国に行って人生観が変わりましたという今までの人生を無下にする言葉は口にしないほうがいい。
自分より生きやすそうな人は山ほどいる。しかしもう明朗で社交的で自信に満ち溢れたキャラクターを選択することは無理なのだ。けど私はある種諦めがついた。自分が容易くは変わらないことを前提にして生きていこうかな。
本の感想はこれくらいにして。
9月のANNのスペシャルウィークで、星野源のラジオに若林がゲストで呼ばれていた。奇しくも私の好きなアーティストの一人は星野源である。その放送自体は聞いていないものの、終了後YouTubeにて公開された「Pop Virus」は素晴らしかった。
度々若林の日本語ラップスキルは(私の中で)話題となっていたが、好きな歌手・好きな曲・好きな芸人のラップと全ててんこ盛りだった。
ラップの歌詞には、星野源のパーソナルな部分や今までの曲のことについて、あちこちオードリーで星野源がゲストの回での内容が組み込まれていてファンにはたまらないものだった。歌詞解説など野暮なことはしない。ただ自分の中で噛み締めている。
最高だったので聴いてください。
間に広告を挟むYouTube的構成になってしまったが、エッセイはその人が色濃く出るためその人を知るにはもってこいだと感じた。頭の中を覗いているみたいで。すべらない話のようにオチがあるわけでもないが、周りに起こったことに関して自分が疑問に思ったことや素直な感情を添えて言葉にする。それだけでパーソナルが現れる。
他のエッセイも読んでみようかなと思った。できれば人生楽勝!と拳を掲げるような人ではなく、中指立てるのを理性で抑えている人のほうがいいな。
他の人の頭の中を覗くことで、この人生を「だいたいわかった」と感じれるようになりたい。