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ゲームがほしい
ハリネズミはお母さんにおねだりしていました。
「お母さん、僕このゲームがほしい!買ってよ!」
お母さんはきびしく言いました。
「だめよ!この前のテスト、ひどかったじゃない。ゲームなんか買ったら、ますます勉強しなくなってしまうわよ」
ハリネズミはひるみましたが、こう言い返しました。
「クラスメイトのゾウくんやヤギくん、オオカミくんもこのゲームを持っているよ!かれらはせいせきがとてもいいんだ!だから、このゲームをやればあの子たちみたいにせいせきが上がるんだよ!」
ハリネズミは強気に言いましたが、お母さんはおちついていました。
「あの子たちは、ゲームのおかげでせいせきが良くなっているのではないわ。あそぶだけでなく、きちんとべんきょうもしているのよ。だから、ゾウくんたちを見ならってメリハリをつけられるならゲームを買ってもいいわよ。でも、きちんとそのやくそくをまもれるかどうか、次のテストのてんすうでしょうめいしてちょうだい。それに、ゲームを買ってあげた後も良いてんすうをいじしないといけませんよ」
ハリネズミは目をかがやかせました。
「うん!がんばる!ぼく、次のテストで80てんいじょうをとるよ!」
それからハリネズミは計画を立ててべんきょうをし、
みごと、次のテストで100点をとりました。
お母さんは約束どおりゲームを買い、ハリネズミはそれからも良いせいせきをいじしました。
解説
実際には存在しないパターンを人間心理が読み取ってしまうことを、「テキサスの狙撃兵の誤謬」と言います。この物語では、ハリネズミが、ゲームをやっているクラスメイトに成績が良い子も含まれているので、そのゲームは成績を上げる効果があるという誤った推論を主張しています。人間はランダムなデータからなんらかの傾向を見出すという能力を持っていますが、論理的に紐解いていくとそれが必ずしも正しいことはありません。自分の論理が飛躍していないか、よく考えてみましょう。
良い目標設定には、5つの条件があります。「具体的な(specific)」、「測定可能な(measurable)」、「合意された(agreed-upon)」、「現実的な(realistic)」、「期限のある(time-limited)」目標を設定すると、結果的に良いパフォーマンスをもたらします。頭文字を取って、「SMARTの法則」と言います。この物語では、ハリネズミは、次のテストで80点以上を取るという具体的で、数値で測ることができる、現実的な、期限のある目標を、お母さんとの合意の上で設定しています。その結果、ハリネズミは一生懸命勉強し、100点を取ることができました。途中で諦めないためにも、「SMARTの法則」に基づいた適切な目標設定をするようにしましょう。
参考:"the texas sharpshooter"
「【基本】SMARTの法則とは? 目標設定を武器にするためのチェックリストを手に入れよう」