地域でゆっくりITサポーターを増やそう ③
孫子曰く、「彼を知り己を知らば百戦殆うからず」と。
相手を知り、自分を知っていれば、何度戦っても敗れることはない、
というような意味です。
前回はITサポーターとしての望ましい姿について書きました。
別に誰かと戦うわけでもないのですが、まずは自分自身のことを知る。
そして相手のこともちゃんと知っている状態にする、ということで、今回は
教わる人が教わる上で抱える不安や心理
について書いてみます。
教わる上で抱える不安や心理として、3つほど挙げられます。
今日はその1つ目を。
何が分からないか分からない
自分の全く専門外のことや苦手なこと、全くやったことないことを、いろいろ説明をしてもらった後で
「分かった?」と聞かれても
「うーん、分かったような分からないような???」と言った経験はありませんか。
他にも、「質問はありますか?」と聞かれて
「質問と言われても・・・」と思った経験など。
そのような経験をされた方は、なんとなくお分かりかと思いますが、
「質問がない」=「理解できた」ではありません。
これらのケース、何が理解できて何が理解できていないのか、つまり何が分からないのかが分からない状態というのが実際のところではないでしょうか。
そもそも、質問するのは何のためでしょうか。
通常、その質問の答えを得ることによって、自分の中で何かが満たされる(理解できる・解決する・達成する)ために質問はします。
つまり、質問しても得られた答えによって満たされるものが不明確な場合、質問は出てきづらいのです。
また、その背景にもいろいろな理由がありそうですが、大きな要因の一つとして、
「自分の経験にない概念は、説明されても分からない」
からではないかと考えます。
極端な例ですが、蒸気機関の仕組みを知らなかった幕末の人たちに、黒船の仕組みを説明するのはとてつもなく難しかったことでしょう。
そして、説明されてもその蒸気機関によって何ができるのかの最終イメージもなかなか湧くことはなかったのではないでしょうか。
年配層の方々にとって、自分がこれまで培ってきた経験の中にない概念で、例えばインターネットって、スマホって、セキュリティって・・・、など説明されても、頭の中に引っかかりができないので、何を質問して何を満たしたらいいか分からないのは容易に想像できます。
つまり、ITサポーターは、教わる人が「何が分からないか分からない」という不安な状態にあることを前提にしておく必要があります。
分からないことを知られること
また、「何が分からないか分からない」ことが不安な状態になることにも理由があります。
その大きな理由が、
・分からないことを知られて恥ずかしい思いをしたくない
・これまで積み重ねてきたものや自身の背景・立場を崩したくない
などが挙げられます。
退職前に高い地位についていた方に時々見られます。
また、人前で聞くこと自体が恥ずかしい方も大勢いらっしゃいます。
教わる人たちが不安な状態になるこれらの背景は、とてもデリケートな部分だと私は考えます。
私は、ITサポーターが教わる人たちのこのようなデリケートな心理状況を緩和しながらサポートすることにより、満足度の高いサポートを提供できると信じております。
そして私自身はITのインストラクションをする上でいつもこのことを最初にお話しし、できるだけ頭の中に引っかかりを作るように心がけています。
どのようにしているのかは、いずれまた書きましょう。
次回は、教わる上で抱える不安や心理 の残りを書く予定です。
最後に改めて、
孫子曰く、「彼を知り己を知らば百戦殆うからず」と。
さいごに
時代と楽しく付き合う適応力を高めキャリアの可能性を拡げるサポートをする「3つのつながる」を実現します、と謳ってホームページをつくっています。
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https://www.thinking-square.com/