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Photo by
jasu
着物が欲しい
着物が一枚欲しい。
僕の最近の夢。
昔から下駄が好きだった。
素足に鼻緒を通す一枚の木板。
足裏で感じる木の感触。
コンクリートと当たったときの乾いた木の音。
一番好きだったのは脱いだ後の床に足が少し沈み込むあの感覚。
そんな大好きな硬い木は、小学校に上がると同時に柔らかなゴムに取って代わられた。
今でも夏祭りとか夏の夜散歩で履く、夏の風物詩になってる。
着物が欲しい。
きっかけはノルウェーの建国記念日だった。
建国記念日の際にノルウェー人の友人に言われた、「日本人は民族衣装を着ないのか」という質問。
半年前の友達の何気ない一言に今も燻る心がある。
日本人なのに着物を着ない。
“正装”の選択肢であってもいいのに、僕にはスーツの選択肢しかない。
それがなんだか物悲しい。
スーツをビシッと着るのはもちろんかっこいい。
その中に着物をビシッと着て堂々と闊歩したい。
色々な人種の入り混じる場で一目で“日本人”と分かるカッコいい一枚が欲しい。
着物を買う。
それが僕の今の社会人での夢。
頑張って稼いで早く一枚目を買いたいな。
そのためにはまずは卒業しなきゃ。
修論から逃げてる場合じゃないですね。
頑張ります。