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間(ま)の効用

間って大事だったりします。とても。

言語情報
聴覚情報
視覚情報
あるわけですが。

何を話すかという言語情報の視点から離れて、『間』は聴覚情報の領域に入ります。


聴覚情報でもっとも大きなインパクトを与えるのが、有音の対極にある無音だったりします。無音に焦点を当てることが、即ち『間』についての考察になっていくわけです。


2つポイントがあります。


①聞き手に「考える時間を与えたい」時に『間』を創る

ダニエル・カーネマンの著書「ファスト & スロー」でいうシステム1(速い思考)からシステム2(遅い思考)に切り替えを担うのが「間」です。

聞き手は通常のコミュニケーションにおいては、「直感的な速い思考」のモードになっています。

「直感的な速い思考」だけで商談が構成されると、顧客にとっての事後的な納得度は低いです。一方で、「頭を働かせる遅い思考」のモードが多すぎる商談も相手にとってシンドイというネガティブな印象に繋がります。

基本は「速い思考」をベースに、ポイントだけ「遅い思考」で考えてもらう。そんな全体構成とするために『間』をどうプロットさせるかという視点で考えてみるとよいかもしれません。



②聞き手の注意を惹きつける「溜め」としての活用

①は相手に委ねている時間の「間」ですが、②は話し手がボールを持っている文脈で活用する短い「間」です。 

話し手が声を大きくする。小さくする。
テンポを早める。遅くする。
そういった行為でのチェンジオブペース以上に。

有音の対極にある無音の活用は、聞き手にとって大きな『差』を生じさせます。
余白を司る『間』が、対面コミュニケーションで演じる役割は重要です。引き算の美学とでもいいましょうか。

大事だと思われる場面の直前、キーメッセージの前に「間」を創ることで、聴き手の関心を高める事ができます。


商談という場のコントロールが上手なビジネスパーソンは、この『間』の取り方が上手く、主導権を握っている人だというのが、私の実感です。

大衆へのプレゼンテーションが上手な人の「間」の取り方はまさにお手本になると思います。TEDとか。

「間」を一つ意識してみることが、セールススキルのアップに繋がるかもねというお話でした。

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