モノサシの整えかた
モノサシを整える前に、2つ押さえておくべきポイントが。
① 顧客の当初のモノサシを知る
初対面5分の何気ない会話で顧客の理解の深さは把握できるものです。ここで求めるサービスクオリティや金額観とその価値観を形成している背景にあるものを掴んでおきます。
②サービスの期待値を超える
ここは別の機会で深掘りしますが、想定を超える満足度が生じない限り、モノサシを顧客とともに創っていくことはできないかなぁと
顧客の感情が大切です。
ヒトは指図されるものを嫌う生き物です。予想を超えるWao!を創れない限り、顧客が当初の考えを変えることはないかなぁと。
「そういう発想はなかったけど、確かにいいなぁ」そういうマインドを踏まえたうえで、サービスの期待値、金額感、サービスと金額のバランス感に関する顧客のモノサシを整える段です。
少し具体例で話を進めていきます。
今回は不動産営業を念頭にマイホーム購入を考えるお客様の事例です。
ご主人32歳 (年収600万)
奥様30歳 (育休中)
お子様 0歳
家賃11万の賃貸に住んでいて、今の家賃の支払いと変わらないくらいのローン4000万円で当初は検討。(フラットで1%想定で35年ローン)土地や建物を見ていく中で最終的に自分達の希望が6000万円となり、2000万円も当初から想高い中で意思決定に躊躇している。そんなケース。
*顧客にとって人生における住まいの優先順位が高いことをきちんと認識してもらう。当初求めている水準よりも高いクオリティが自分達には必要であることを理解する必要があります。
*価格に対するモノサシを整えます。
良いクオリティのものは価格も高くなるとわかっていながら、人生で一番高い買い物であること、当初予算を大きくオーバーしているために決断に躊躇するものです。
やはり価格の納得感で断念するケースが多いので価格のモノサシを整える部分が一番難しいものです。
買回り品の場合、顧客の当初の基準点はそこまで練り込まれていません。限られた時間の中で興味関心のない中で仮決めされているにすぎないから。(にも関わらず自分で決めている事と事前に決めているという事が意思決定に影響を与えます。)
例えば、webで住宅ローンは年収の5〜6倍を目安にといった形で決められているかもしれません。(ここを①顧客の当初のモノサシを知るで押さえておく事が大切。)
〜ここからは口語で〜
「ちなみに、家の購入金額って何と比べるのが適切かってご存知ですか?」
「皆さん家の金額があまりに大きいので挙式費用や車の購入代金とは桁が違いすぎて結局のところ妥当な金額感が分からないって仰るんです。」
「因みに、年収基準(①顧客の当初のモノサシ)で考える話って必ずしも正しいわけではないってご存知でした?」
「例えば、土地の値段の高い東京と地方で金額が一律なわけないですよね。それに30代の人と50代の人の年収が持つ意味って違いますよね。」
⇨こんな感じです。
ここからはセールスパーソンが最も妥当であると考えるモノサシを提示する形です。
「例えば、生涯年収に占める物件金額の割合を測る考え方があります。」
「また家を買わなかった場合の住まいにかかる金額(家賃の総額)と比較する考え方もあります。」
「衣食住遊学旅のジャンルの中で〇〇さんの住まいに対するプライオリティによって一般的な物件金額に増減させる考え方もあります。」
「資産性を大事にされる〇〇さんでしたらいずれ売却される金額と購入金額との差額を純粋なコストとみなして、差額分の月の支払いを家賃と比べる考え方もあります。」
.....etc
住宅においては6000万という金額に対しては生涯年収と比べることで目安が見えてきます。
またショットではなくランニング(月々の支払)で揃えてリアリティのある普段の支出の家賃と比較することで目安が見えます。(ローン35年がずっと払えるか分からないという人が多いですが、32歳の方なら50年以上家賃を払うことになるという気づきを与える事も大事です。)
モノサシの整えかた。参考になりましたら。