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【創作】アドマイア大統領とフラワーさんの恋①

これは小さな世界の小さな国の話。

小さな国の大統領はアドマイア氏。恋の相手はフラワーさん。正反対の二人。

アドマイア大統領は、ハーバルシティの表通りをコーヒージェリー・スプーマ片手に逍遥するのが好きなタイプだし、かたやフラワーさんはノーレス・ナチュラルボーン・ウェンチ。日曜日の昼下がりは、純白の花弁に見事なプラム色をした唇、鮮やかなタンジェリンのひげをたなびかせて泥まみれのふくよかな足を牛になめさせるのがお気に入り。

牛なんて、アドマイア大統領にとってはやわらかなピンクになめされたカーフの財布くらいの意味しかもたない。

そんな二人が出会って世界は変わってしまった。
あらゆる時計は正確な時間をしめさなくなった。チョウシンとタンシンはべっこう飴のようにからみあいウェストハイランドを目指して伸びはじめた。ビョウシンは儚くほろほろとくずおれた。

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