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【加賀藩と、お薬になるお香の話】
金沢の街を歩いていた時に、たまたま出会った創業380年にもなる黒田香舗さん。
ふらっと寄らせていただいたのですが、加賀薬草の歴史を教えてくださいました。
お香は元々は気付け薬としても使われており、材料にも漢方薬をたくさん使います。
そんな背景もあって、漢方薬局とお香のお店が別々にあったのが、いつしか漢方薬とお香を一緒に扱うお店になったそうです。
現在この辺りでは、薬草などの生薬がほぼ採れなくなってしまったというお話も伺いました。
法律などの基準が高すぎたり、気候変動・環境汚染があったり、新薬にマーケットを押されていたり、、、
様々な原因で、江戸時代はオリジナルの郷土薬を約50種類ほど作っていたそうですが、今では難しくなっているとのこと。
「寒水で仕込むと傷みにくい」と、毎年2月の寒い時期の水で作られていた製薬の風景も、珍しくなっているようです。
今ある「六神丸」も、材料の1つがもう手に入らないため、手元にある素材であと2〜3年間販売したら、その後の製造の目処は立たなくなるのだとか。
時代の変化を経て、残るものは何か。
集中力が高まるという、清らかな香りのお香を聞きながら、想いに耽る一日でした。
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■黒田香舗
Address:〒920-0902 石川県金沢市尾張町1-9-8
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植物の力を給ぶ、得る。
私たちは、北海道から沖縄までリサーチに出掛け、根付いた薬草文化と出会い、薬草茶などの商品を提案する伝統茶{tabel}を2014年より始めました。
おいしさと慈しみ、作り手や風土の魅力をお届けします。
2018年に講座シリーズ「薬草大学NORM」を開校。同年に著書「薬草のちから(晶文社)」を発刊し、ロングセラーとなる。
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