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【護る服、護る日々の道具】

アイヌ文化には、小学校のころから憧れがありました。
やっとの思いで、アイヌのみなさんの素の暮らしに触れられるという平取町立二風谷アイヌ文化博物館を訪れることに。
実は3年ほど前にも来たのですが、まさかの免許証を家に忘れたことを新千歳空港で気付くという失態でレンタカーができず、二風谷へのバスは本数が限られるため、二風谷に行ったのに民宿に泊まっただけで、博物館へ行くことができませんでした。
(でも、その民宿はアイヌのお母さんが営んでおられて、色んな文化や植物の使い方についてを教えてもらいました。)

そんなこんなで、数年越しに改めて博物館にも訪れることができました!
この博物館の前には、チセ(茅葺きの昔ながらの家)がいくつか建ってます。
その中では、木彫り、織物・刺繍、編物の職人さんたちが実際に手仕事をしていて、見学したり、お話できます。

この時にお会いできた貝澤守さんは、30年以上木彫りを続けておられる熟練の彫師さん。
定番の上記の模様を好きに組み合わせて自分らしく掘るそうです。
二風谷には、木彫りのお仕事だけで生活している職人さんが5人いらっしゃり、そのうちのお一人だとお話してくださいました。


そこで作られる道具たちや衣類などに施される、アイヌの文様は魔除などの意味があるということも教えてもらいました。
例えば・・・
写真の木のトレイの真ん中の丸の中にダイヤが入ってるのは「神様の目」。
尖っている部分は「身を護るトゲ」。
一番細かく面を埋めているのは「ウロコ」
大きな渦っぽいのは「沙流川の流れ」。

写真のイタ(お盆)、まだ完成前だそうです。
左側に写っているのは、イクスパイという神様にお酒を捧げる祈りのヘラです。
漫画「ゴールデンカムイ」の影響で、行くスパイがほしいという人が増えて、すぐ売れてしまうのだとか。

博物館でも色んな方の木彫り作品を見たましたが、
個人的には貝澤さんの木彫りが一番文様も好みで、微細なウロコの模様の部分に魂がこもってるように感じたので、その彫っている途中のイタを購入することにし、完成したら送っていただくことになりました。
大事なお茶会の時に、使わせていただこうと思っています。

02護る服、護る日々の道具

その他、文様が施されるものとしては、着物があります。
成人の着物1着の刺繍は、3ヶ月以上かかると教えてくれたのは、3年前に宿泊した民宿のお母さん。
魔が入りやすい背中、手首、首元、裾に念入りな刺繍が施されています。
愛がないとできない手仕事です。
護ってくれる、祈りがこもった道具たちと何十年も暮らせるって、有難いことですね◎

■平取町立二風谷アイヌ文化博物館
Address:〒055-0101 北海道沙流郡平取町二風谷55
    http://www.town.biratori.hokkaido.jp/biratori/nibutani/

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