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【花びらの燃える赤、冷たくて熱い白@山形県白鷹】

さて、山形県に薬草リサーチにやってきました。
今回、見に来たかったのは紅花です。
赤い花びらが愛らしいし、冷えや貧血などなど女性にプレゼントしたい薬効がたっぷりつまったパワフルな花。

江戸時代、紅花は金と同じくらいの価値がある貴重なものでした。
北前船によって山形県の北部にある港町・酒田から福井へ。そして京都へ運んでいました。
それに伴って京都の文化が、最上川の上流にまで入り込んできたようです。
現在でも丸餅、高野豆腐、にしんといった関西の食文化が山形県の山間部に伝わっており、味付けは東北風ですが、食文化の共通点をたくさん見ることができます。

近江商人が現在での20億円ほどの巨額の工事費用を費やし、
滝を潰してさらに奥の地域の紅花も川で引けるようにしたとか。
最上藩の要であった産業なのだと感じます。
今でも、日本の60%の紅花は、この町で採れます。

紅花はトゲがたくさんあるので、収穫が痛くて大変です。
なので、コツがあるそうで、夜明け前の3時ごろに朝露に濡れてトゲが柔らかくなったころに収穫するのだそう。
花びらは、“紅花もち”という発酵と乾燥をしたチップス状にして保存・輸送し、染物に使われます。

その紅花を灰にして、器にしていたのが深山窯の金田さん。
温度の加減で濃墨色になったり、紅花らしい赤や黄色が現れます。


プロダクトデザイナーの柴山修平くんが、数年かけて形や色の仕上がりを詰めていて、
またさらに愛嬌のある器になりそうです。

現在、焼き上がり待ちとのこと。
とても楽しみです!!
http://yamanokatachi.jp/product/safflower-glazed-celamic/

ちなみに、登り窯で器を焼く時、炎は何色かわかりますか?

…答えは白です。

高温の炎は「雪白(せっぱく)」の色になるのだそう。
冬にこの地に積もる、冷たい雪と同じ色です。
白は冷たさが極まる時にも、熱さが極まる時にも、現れる色なんですね。

登り窯で焼き物を焼成するときには5日間夜通しで代わり番で赤松の薪を焚べます。
東北の大震災で壊れてしまった登り窯も復活して、また新たな年月を重ね始めています。


植物の力を給ぶ、得る。
私たちは、北海道から沖縄までリサーチに出掛け、根付いた薬草文化と出会い、薬草茶などの商品を提案する伝統茶{tabel}を2014年より始めました。
おいしさと慈しみ、作り手や風土の魅力をお届けします。

2018年に講座シリーズ「薬草大学NORM」を開校。同年に著書「薬草のちから(晶文社)」を発刊し、ロングセラーとなる。


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